●平成27年度鳴門市第一幼稚園活動内容(抜粋)
 
 ≪研究主題≫
  金銭教育に係る体験活動を通し、
     お金や物を大切にする幼児を育む。
 
 主題設定の理由
  昨年度の活動内容をご覧下さい。
 
 研究の内容と方法
(1)
 
 金銭教育に係るさまざまな体験活動を通し、お金や身の回りの物を大切にすることの喜びが味わえるようにしながら、お金や物を大切にしようとする幼児を育む。
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 友達や教師、また、保護者と一緒に取り組む活動を実施する、実際にお金にふれる機会や場を意図的に設定する、絵本や紙芝居を活用するなどの取り組みを通し、お金や物の大切さが感じられるようにする。
(2) 幼児期の金銭教育の理解と重要性について、保護者への啓発を図る。
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  学級懇談会や講演会などをはじめ、親子での金銭教育に関する保育実践を通し、幼児期の金銭教育についてともに考え、共通理解を図りながら連携を深めていく。
   
 実践事例
  26年度、27年度の主な取り組み
  幼  児 保 護 者
26年度 親子貯金箱作り (9月19日)
お店屋さんごっこ(11月18日・19日)
買い物体験(12月12日)
  
学級懇談(5月30日)
金銭教育講演会(9月19日)
親子貯金箱作り(9月19日)
お店屋さんごっこ(11月18日・19日)
27年度 クリーンセンター見学(10月13日)
親子手作りおもちゃ(10月16日)
お店屋さんごっこ(11月25日・26日)
買い物体験(12月16日) 
おこづかい教育出前教室(6月9日)
親子手作りおもちゃ(10月16日)
お店屋さんごっこ(11月25日・26日)
 
  (1)お金や物の大切さを知る。
  
活 動 親子手作りおもちゃを通して
実施日 平成27年10月16日(金)
内 容  今回、親子手作りおもちゃを実施するにあたり、事前に鳴門市のクリーンセンターを見学し、ゴミの分別・収集・処理の仕方や、ペットボトルなど、再生される物があることを教えてもらったり、まだまだ使えるのにゴミとして出されていた物についての話を聞いたりした。また、腹話術による、物を大切にすることの話も楽しく聞かせてもらった。このことによりゴミとして扱われている物が様々な物に再生されていることを知り、ゴミとして捨てていた身の回りの身近な物を再利用しよう、大切にしようという気持ちを育みたいと思った。
 親子手作りおもちゃ当日は、年長児も年少児も全員リズム室に集まり、親子で、空き箱やペットボトル・牛乳パック・新聞紙・紙コップなど身近な素材を利用してのおもちゃ作りを実施した。事前に親子で「何が作りたい。」「どんなおもちゃを作ろうか。」などと話し合い、作るのに必要な素材を家庭から持ってきていただいていたので、スムーズにおもちゃを作ることができていた。親子で考えたり、工夫したりなど協力しながら作る姿や、保護者の方が夢中になり楽しそうに作る姿が見られた。どの子どもたちも保護者の方も楽しそうに作っていた。
  サッカーゲームや紙相撲、ロケット・びっくり箱・ケンダマ・魚釣り・ロボットなど、それぞれに創意工夫された世界に一つだけの楽しい親子での手作りおもちゃができあがった。おもちゃができあがると、早速子どもたち同士でおもちゃを見せ合ったり、楽しそうに遊んだりする姿が見られた。
  どのおもちゃも、親子で協力した素晴らしい手作りおもちゃができたので、クラスごとに子どもたちがおもちゃを持って前に並び、みんなの前で披露した。
反 省

考 察
 不用になった身近な素材を利用した親子でのおもちゃを作る過程で、親子でともに考えたり、試したり工夫したりしながら作る姿が見られた。このことから、「私はこんなおもちゃを作りたい。」という目標があると、どんな素材や材料であっても、試したり工夫したりしながら活用し、それぞれに楽しく、そして世界に一つだけの素晴らしいおもちゃができることがわかった。また、子どもたちには、既製のおもちゃでなくても、自分の手で創意工夫しながらおもちゃを作る楽しさや、手作りおもちゃで十分楽しく遊ぶことができることが分かったのではないかと思う。
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活 動 お店屋さんごっこを通して
実施日 平成27年11月25日(水)〜26日(木)
改善点  26年度の反省と考察を基に、27年度のお店屋さんごっこの内容について職員間で話し合い、27年度のお店屋さんごっこは、次の3点について改善してみた。
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  お店の数を年長児は昨年度と同じ10店にするが、年少児は昨年度より2つ減らし8店のお店を出す。どんなお店をしたいのかについては、教師と子どもたちが話し合い決めていった。その中に本年度、子どもたちが苗植えから収穫まで頑張って育ててきたサツマイモを、園長が蒸かし、みんなで食べた時、「園長先生、ありがとう、おいしかった。」「おいしかった。また食べたい。」「おいもって、おいしいなあ。」「園長先生、またおいもしてよ。」と、子どもたちからたくさんの喜びの声が聞かれ、その中で「お母さんにも食べさせてあげたいなあ。」という声もあったことから、おいもやさんもすることになった。子どもたちが収穫したサツマイモを利用し、子どもたちがサツマイモを洗い、園長が蒸かし、子どもたちがお店で売ることになった。
A







  26年度は、買い物のお金として、段ボールで作ったお金を使用していたが、27年度は、本物のお金を使うことにした。どのような金種にするのか職員間で話し合い、まず、子どもたちがあまり使うことのない金種、そして、年長児と年少児の発達段階も考慮した金種を使うことになった。
 年少児は、お芋屋さんが50円、他の店は20円で販売することにした。また、年長児は、1円、10円、5円、5円、100円の4種類のお金を使い、それぞれのお店で、値段を決めることになった。ただし、保護者一人については、200円までとした。
B

   お店屋さんごっこで売れたお金は、子どもたちが園の近くのお店に買い物に行く買い物体験の時に使うという目的をもってお店屋さんごっこをする。
内 容
   11月25日(水)に年長組、11月26日(木)に年少組の参観日を行った。参観日では、昨年と同様、子どもたちが自分のやりたいお店屋さんになり、お家の方に買ってもらうという、『お店屋さんごっこ』を行った。昨年のお店屋さんごっこでは、段ボールで作ったお金を使ったが、今年は、子どもたちと話し合い、現金を使い、売れたお金で12月に予定している買物体験に行くことを目的とした。
   参観日までに、子どもたちは友達とやりたいお店を決め、お店の品物作りや看板作りに友達や先生と一緒に取り組んできた。また、それぞれのお店の品物などの値段を決める相談をした。年少児は、50円と10円を使って、また、年長児は、100円、50円、10円、5円、1円などさまざまな金種を使い、それぞれのお店の品物の値段を決めた。
   年少児は、おいも屋・寿司屋・綿飴屋・ボーリング屋・宝石つり屋・アイスクリームかき氷屋・うどん屋・冒険屋の8種類のお店を作り、おいも屋が50円で、後の7つのお店は20円と品物の値段を決めた。
   年長児は、子どもたちと相談し、ケンダマ屋10円・花屋11円・おみくじ屋15円・ネックレス屋16円・寿司屋15円・雑貨屋55円・ペットショップ屋11円・たこやき屋20円・おいも屋100円の10店のお店を作った。
   お店の品物作りでは、今回も子どもたちが家から持ってきた、空き箱・空き容器・トレー・カップ・牛乳パックなど、いろいろな素材を活用し、教師と子どもたちがアイディアを出し合い、工夫しながらいろいろなお店の品物作りに取り組んだ。
   また、昨年お店ごっこを経験している年長児も、初めてお店ごっこをする年少児も、お家の人に自分たちのお店に来てもらうためにはどうしたらいいのか、自分たちが作った品物をどうしたら買ってもらえるのか、買ってもらったときにはどうしたらいいのか、お家の人にお店ごっこを楽しんでもらうためにはどうしたらいいのかなど、お店の人になるための“言葉”や“対応”などマナーについても、事前に各クラスで話し合った。今回は、現金を使ってのお店屋さんでの売り買いをするため、お金の扱い方についても事前に話し合った。
 『お店屋さんごっこ』の当日、子どもたちはお店を開くうれしさと買ってもらえるかなというドキドキ感を感じながら、広いリズム室にそれぞれのお店を開いた。
   お家の方には、子どもたち手作りの財布に年少組は8店の、年長組は10店のお店全部で買い物ができる金額のお金を入れ、「このお金で買い物をしてください。」とプレゼントした。
   お店屋さんごっこの開始とともに、お家の方が財布を持って各お店を回り、買い物をしてくれた。子どもたちは張り切って大きな声で「いらっしゃいませ!いらっしゃいませ!」と挨拶したり、買いにきてくれた方には「何にしましょうか」「どれがいいですか」と声をかけ対応したりしていた。買ってもらった時には、うれしくて満面の笑顔で大きな声で「ありがとうございました!」とお礼もきちんと言えていた。
   教師が各お店の様子を見に行くと、「先生見て、こんなにお金が貯まった。すごいだろ。」と言ってお金入れの箱に入っているお金をうれしそうに見せたり、手を打ちながら「へい、いらっしゃい、いらっしゃい」とお客様を呼び込んだりしている年長児の姿が見られた。また、「もう、きつねうどんとわかめうどん売り切れたんよ。」「後は天ぷらうどんと、月見うどんです。どれがいいですか。」と、買いに来てくれたお家の人に説明したり、「ここをピョンって飛んで、こっちに曲がって・・・・」とゲームのやり方をお家の人に知らせたりする年少児の姿が見られた。年長児も年少児も、どのお店の子どもたちも、自分のお店の店員になりきって、一生懸命働く姿が見られた。
   今回は、売れたお金で買物に行くことを目的としていたので、お店屋さんごっこの実践を通し、子どもたちは売り手として、買い手のお家の人と現金を使ってのやりとりを楽しみ、買ってもらった時の喜びを味わうとともに、お金が貯まっていく喜びを味わっていた。
反 省

考 察
   昨年度の反省から、お店の数を減らしたり、子どもたちの気持ちを受け止め、収穫した芋を蒸かして売ったり、本物のお金を使っての売り買いをしたりしたが、今回のお店屋さんごっこを通して、子どもたちにとって、お金がより大切に感じたようであった。また、1円、5円、10円、50円、100円など、様々なお金を見たり触れたりしたことにより、様々な金種があることや、いろいろなお金で売り買いができることを知ることができたのではないかと思う。このことから、子どもたちのお金への興味関心がより高まったのではないかと考える。
 今回のお店屋さんごっこで売れたお金で、今度は自分たちが近くのお店に買い物に行くという話から、年長児は、お金の流通も少しは感じられたのではないかと思う。
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活 動 買い物体験を通して
実施日 平成27年12月16日(水)
内 容
   昨年と同様に、園の近くにあるスーパーにおやつを買いに行った。担任からこのお金は、この前のお店屋さんごっこで、みんなが頑張って売ったお金です。みんな、よくがんばったね。今から150円みんなに渡していくね。」と一人ずつ150円をもらうと、「ヤッター!この100円おいも屋さんで売ったお金と一緒やなあ。私は、おいも屋さんやった。お父さんが食べに来てくれた!」「僕はお寿司屋さんやった!」「私が作ったアクセサリー、お母さんが買ってくれた!うれしかった!」と、それぞれにお店屋さんごっこのことを思いだし、うれしそうに口々に話した。
   また、教師が「今日は、このお金で好きなおやつを買ってね。」と言うと、「何買おうかなあ。」「私は買う物、もう決めとう。」と、今から買う物を決める子と、すでに買う物を決めている子がいた。また、自分のお菓子だけでなく、お父さんやお母さん、そして兄弟など家族みんなのお菓子も買っている子どもの姿が多く見られた。お店では、お店の方や買物に来ているお客様に、「おはようございます。」「よろしくお願いします。」「ありがとうございました。」など、その場に合った挨拶を元気にすることができていた。 
反 省

考 察
   今年度は、お店屋さんごっこで品物を売ったお金で買い物に行くことになっていたので、“あのとき自分たちがお店で売ったお金”という意識が強く、よりお金が身近に、そして大切に感じていたようだった。
   お店では、「これとこれ、買える?」と教師に値段を確かめながら慎重に買う子どもの姿や、欲しい品物をいくつか決めてレジに行き、「お金が足りないから、買えません。」とレジの方に教えてもらっている姿が見られた。また、「これ、妹が好きやから、買っていく。でも、これいくらかなあ。お金いけるかなあ?」「今日は弟の誕生日やから、弟に買ってあげたいけど、何がいいかなあ?。」と妹や弟のために悩みながらお菓子を買う姿も見られた。
   昨年度と同じお店での買い物体験であったが、お店屋さんごっこでの経験からか、レジで「これ、お願いします。」「ありがとうございました。」が自然と言える子どもたちの姿が見られた。また、お釣りのあった子どもたちは、落としたり、なくしたりしないように、レジの方から受け取るとすぐに財布に入れていた。このような姿から、お金は大切な物であるという気持ちが強くなっているのではないかと思った。
   今年度は、様々な金種のお金にふれさせたいと考え、年長児・年少児それぞれの発達段階に合わせて、年少児は10円と100円を、また年長児は1円・5円・10円・50円・100円を使ってのお店屋さんごっこを実施した。しかし、買物体験では、年少児も年長児も100円と50円の合計150円であったので、年長児は、10円玉5枚の50円にしたらよかったのではないかと反省した。
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活 動 紙芝居・絵本を通して
実施日 通年
 改善点  26年度の反省と考察をもとに、職員間で話し合い、27年度は発達段階に合った教材について次のように取り組み、子どもたちのお金や物の大切さへの興味関心が深まるとともに、取り組み活動に期待感をもって取り組んだり、意欲をもって取り組んだりできるように配慮したいと考えた。
@
 
 金銭教育に関わる絵本・紙芝居等の教材を選択するとともに内容を検討し、年少児・年長児の発達段階にあった絵本・紙芝居・資料を活用できるようにする。
内 容
  本年度は、年少児には昨年度読み聞かせに使った『す・て・な・い・で』や『スイッチにんじゃ』などのエコに関する紙芝居や、『もったいないばあさん』の物の大切さに関する絵本を読み、昨年と同様に子どもたちが身の回りの物や資源について興味関心がもてるようにするとともに、自分たちにとってとても大切なものであり、大事にしなくてはいけないということを教師と子どもたちが一緒に考える機会とした。また、お店屋さんごっこの取り組みの前に、『おみせやさん』の絵本を読んで、お店屋さんへの期待が持てるようにしたり、買物体験では、『ひとりで かえたよ えっへんへん!』の絵本を読み、お家の人に買ってもらうのではなく、自分で買い物をする期待が持てるようにするなど、取り組みの活動に応じ、絵本や資料の読み聞かせを行い、活動に期待をもったり、お金や物の大切さが感じられたりできるように努めた。
   年長児は、昨年度読み聞かせに使ったエコに関する紙芝居を再度読み、身の回りの物や資源を大切にすることへの意識がより高まるようにした。また、クリーンセンターの見学に行く時には、クラスで毎月とっている月間絵本『ぴっかり』の“ごみ どうする?”の内容についてみんなで話し合い、クリーンセンターへの見学に興味関心がもてるようにしたり、買物体験では、絵本『はじめてのおつかい』を読むなど、取り組みの活動に応じ、絵本や資料の読み聞かせを行い、意欲的に活動に取り組んだり、お金や物の大切さがより感じられるように努めた。
   徳島県危機管理部県民くらし安全局安全衛生課生活安全室発行の『なみちゃんとこうちゃん』については、金銭教育の取り組みとして、年少児・年長児ともに活用し、教師と子どもたちがお金や物を大切にする話し合いの機会とした。
反 省

考 察
   発達段階に合わせた絵本や紙芝居を保育に取り入れることにより、子どもたちがお金や物の大切さについて、また、取り組みについて内容が理解しやすく、教師と子どもたちの話し合いや、取り組みがスムーズに進められた。また、金銭教育の活動への取り組みへの期待感も高まり、意欲的に取り組む姿が見られたりした。
   子どもたちにとって、絵本や紙芝居は、よりわかりやすい視聴覚教材であると考え、今回、金銭教育に関する絵本や紙芝居を探してみたが、適切なものをなかなか見つけることができなかった。このことは、教師がもう少ししっかりとねらいを念頭において本などを探すことが必要であったと反省した。、
   今後は、ねらいをしっかりともち、もう少し視野を広げ、幅広く探し、より多くの絵本や紙芝居を用意し、取り組みのねらいに即した絵本や紙芝居を保育に活用できるようにしていきたいと考える。
活用絵本・
紙芝居等
(平成26年〜27年度)




〇生活の中で





資    料 「なみちゃんとこうちゃん」  
絵     本  「もったいないばあさん」
紙 芝 居


「たつや君の100円玉」「みずたまレンジャー」「スイッチにんじゃ」「しんくんとモーリー」 「ゆきせんにんのひっこし」
〇クリーン
 センター見学
月間絵本「ぴっかり」※年長組より借りる
〇手作りおもちゃ
 
教師用図書 手作り製作アイデア集
紙 芝 居 「できたよできたよ」
〇お店屋さんごっこ
絵    本
「おみせやさん」 「からすのパンやさん」
〇買物体験
絵    本 「ひとりで かえたよ えっへんへん!」 




〇生活の中で







資    料
 
「なみちゃんとこうちゃん」 「おかねのね 小学1.2年」
絵    本 「なるほど!お金のはなし」
紙 芝 居 「たつや君の100円玉」 「みずたまレンジャー」「スイッチにんじゃ」「しんくんとモーリー」  「ペレのあたらしいふく」「ゆきせんにんのひっこし」
〇クリーン
 センター見学
月間絵本「ぴっかり」
〇手作りおもちゃ
図    鑑 「へんしんランド」「ふしぎランド」
〇お店屋さんごっこ
絵    本 「くまのパンやさん」「おみせやさん」
〇買物体験
 
 
絵    本
 
「はじめてのおつかい」「パディントンのかいもの」
   
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  (2)保護者への啓発
活 動 おこづかい教育出前教室
実施日 平成27年6月9日(火)
内 容
  本年度は、ジブラルタル生命による、「おこづかい出前教室」を実施した。ジブラルタル生命チーフインストラクターの宮本様を講師に招き、「おこづかい」が子どもの人生を変える』というテーマで、資料をもとに「お金との付き合い方を教えるのは、『しつけ』と同じです」「“おこづかい”が子どもの人生の良い習慣になります」「おこづかいの4つの利点」などをはじめ、おこづかいについてお話いただいた。また、途中で、いくつかのグループに分かれ、「値段の高いものをねだってきたら?」「お手伝いにはお駄賃をあげるべき?」「文房具など学校で使うものはどうする?」「良い成績のご褒美におこづかいはあげるべき?』「お年玉はどうする?」「お財布をなくした」の6つの質問について保護者同士がバズセッションをした。親しい保護者もいれば、初めて話しをする保護者同士の方もいたが、どのグループも楽しそうに話している姿が見られた。バズセッションの後には、質問内容について、どのように対応すればよいのかアドバイスをいただいた。
反 省

考 察
   27年度も、『子どもたちとお金のかかわり方の大切さについて』保護者への啓発となればと考え、ジブラルタル生命の「おこづかい出前教室」をお願いした。
   おこづかいを中心とした、身近なお話を聞かせていただき、保護者の方にはとても参考になったのではないかと思う。また、バズセッションでは、同じ立場の保護者同士が、それぞれの家庭での考え方や対応について話しあうことにより、お互いに情報交換ができてよかったのではないかと思う。
   出前教室終了後の保護者アンケートでは、次のようなご意見があった。(ジブラルタル生命集計)
ご意見等
1.本日のセミナーは、お役に立ちましたか?
  参考になった 86%    どちらともいえない 14%

2.ご意見等
いろいろな方のご意見やお話を聞けてよかったです。
おこづかいや貯金に対することをいろいろ考えることができました。
おこづかいは、まだいいかなと思っていましたが、始めてみようと思いました。

 
お財布をもたせて、おこづかいをやってみようと思った。生きる力を身につけてほしいです。
お金の管理について考えることができてためになった。

いろいろな方法があるので、その通りにはできませんが参考にさせてもらいます。
子どものおこづかいに関してとても勉強になりました。参考にしていきたいです。
   
 まとめ
 










  金銭教育の取り組みの実践を通し、子どもたちのお金や物に対しての意識が変わってきたように思う。遊んだ後の画用紙や色紙など切れ端も、使えそうな物を残して次に遊ぶときに使ったり、セロテープやガムテープも必要に応じた長さを使えるようになってきたりしている。
   また、絵本コーナーの整理をしたり、破れているページを見つけると教師に知らせにきたり、教師が絵本の修理をしていると、「一緒に直したい!」と言って一緒にしようとする子どもの姿や、絵本を読み終わったり、片付けの時間になり、誰も居なくなるときには、絵本コーナーの電気を消す子どもの姿も見られるようになってきた。落とし物についても、誰かが拾い「先生、落ちとった」と持ってきてくれるようになり、落とした幼児に返すことができるようになってきている。
  このように、少しずつではあるが、子どもたちが身の回りの物を大切にしようとする姿が見られるようになり、2年間の実践を通し、子どもたちのお金や物を大切にしようとする気持ちが育まれてきたのではないかと考える。
 




  
  金銭教育に取り組む中で、貯金箱やおもちゃ、またお店屋さんごっこの品物を作る活動を通し、お家の方や友達と協力して一つの物を作る楽しさや、工夫する楽しさなどを味わいながら、創造力も育ったのではないかと考える。また、目標に向かってみんなで協力して取り組む大切さも分かったのではないかと考える。お店屋さんごっこでは、売り手となり、買い手のお家の方とのかかわりを通し、接客のマナーや対応の大切さを知るとともに、言葉も必要に応じて使えるようになってきたと思う。このように、金銭教育に取り組むことにより、子どもたちのさまざまな面での成長がみられることがわかった。
 



 
 
  園での取り組みを進めていくにあたり、保護者の理解と協力が重要であり必要であると考え、保護者対象の講演会や出前教室を開催した。また、保護者と子どもたちが一緒に楽しく、興味関心をもって金銭教育を学んでほしいと願い、「親子貯金箱づくり」「親子手作りおもちゃ」「お店屋さんごっこ」など親子での取り組みを実施してきた。親子で楽しんだ共通体験が家庭でも話題となり、家族みんなで幼児期から金銭教育に取り組む大切について関心をもち、それぞれの家庭の状況に合わせ取り組んでほしいと願っている。
 







 

 
 
  本年度、金銭教育2年目の金銭教育に取り組むにあたり、保護者の方に7月と12月の2回、金銭教育の必要性について、下記のようなアンケートをとった。その結果、年長組、年少組ともに、保護者の幼児期の金銭教育への理解と意識が変わってきているのが、アンケート結果よりわかった。また、2年間の取り組みの中で、保護者の金銭教育への意識がどのようになったのかを探るため、同じ保護者の昨年度(6月)と今年度(12月)のアンケート結果を下記のように比較してみた。その結果、昨年度の6月に、『幼児期に金銭教育は必要でない』『幼稚園で金銭教育に取り組まなくてもよい』『どちらでもい』と考えていた保護者の意識が、本年度の12月には『幼児期に金銭教育は必要である』『幼稚園で金銭教育に取り組んだほうがよい』という意識に変わってきていることがわかった。保護者の理解と協力を得ながら、金銭教育への取り組みを積み重ねてきたことが、保護者の意識を少しずつ変えてきたのではないかと考える。
   今後も、金銭教育を保育の中に取り入れながら、心豊かでお金や物を大切にする幼児の育成を目指し、子どもたちの成長発達につながる保育をめざし進めていきたいと考えている
 
金銭教育アンケート
問1 幼児に金銭教育は必要であると思いますか。
    @そう思う  A思わない Bどちらでもよい

    @ A B
年長組
回答(52人中42人)
1回目(H27. 7) 88% 0% 12%
2回目(H27.12) 90% 0% 10%
年少組
回答(46人中33人)
1回目(H27. 7) 81% 0% 19%
2回目(H27.12) 92% 0% 8%

問2 幼稚園で金銭教育に取り組むことについてどう思いますか。
  1回目選択肢  @取り組んだほうがよい  A取り組まなくてもよい    Bどちらでもよい
  2回目選択肢  @取り組んでよかった    A取り組まなくてよかった  Bどちらでもよい
    @
A B
年長組
回答(52人中42人)
1回目(H27. 7) 88% 0% 12%
2回目(H27.12) 90% 0% 10%
年少組
回答(46人中33人)
1回目(H27. 7) 81% 0% 19%
2回目(H27.12) 92% 0% 8%

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金銭教育アンケート 2年間の比較
問1 幼児に金銭教育は必要であると思いますか。
    @そう思う  A思わない Bどちらでもよい
  @ A B
26年度年少組 回答(50人中39人) 79% 12% 9%
27年度年長組 回答(48人中37人) 90% 0% 10%

問2 幼稚園で金銭教育に取り組むことについてどう思いますか。
    @取り組んだほうがよい  A取り組まなくてもよい  Bどちらでもよい 

  @ A B
26年度年少組 回答(50人中39人) 71% 3% 26%
27年度年長組 回答(48人中37人) 90% 0% 10%
     
     
  
 過去の一覧