●平成26年度鳴門市第一幼稚園活動内容(抜粋)
≪研究主題≫
 金銭教育に係る体験活動を通し、お金や物の大切さを知らせ、
 お金や物を大切にする幼児を育む。
 
 主題設定の理由
   現在、子ども達を取り巻く環境は、少子化の傾向から、欲しい物がすぐ手に入る環境にあり、物やお金の大切さを知る機会や体験が減少していると思われる。このことは、自分の持ち物を落としたり、無くしたりしても困らない、また、遊びの中で友達と遊具の貸し借りが難しいなど子どもたちの姿に現れている。
本園では、昨年度、野菜の栽培活動や買い物体験を通して、お金や物の大切さを知らせたり、作物作りをはじめ労働の尊さや大切さについて知らせたりしてきた。しかし、まだまだ子どもたちのお金や物を大切にする気持ちを十分育むことができていない。そこで、4歳児・5歳児のそれぞれの発達段階にあった金銭教育が必要であると考えるとともに、お金や物の大切さを知り、お金や身の回りの物を大切にする心豊かな子どもに育つことを願い、本主題を設定した。
 
 研究の内容と方法
(1) お金や物の大切さを知る。
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 金銭教育に係るさまざまな体験活動を通し、お金や身の回りの物を大切にすることの喜びが味わえるようにしながら、お金や物を大切にしようとする幼児を育む。
(2) 保護者への啓発
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 学級懇談会や講演会などをはじめ、親子での金銭教育に関する保育実践を通し、幼児期の金銭教育について共に考え、共通理解を図りながら連携を深めていく。
   
 実践事例
  (1)お金や物の大切さを知る。
  
活 動  紙芝居・絵本を通して
実施日  年間
内 容
 各保育室で、「す・て・な・い・で」や「スイッチにんじゃ」などのエコに関する紙芝居や、「もったいないばあさん」の物の大切さに関する絵本を読み、子どもたちが身の回りの物や資源について興味関心がもてるようにすると共に、自分たちにとってとても大切なものであり、大事にしなくてはいけないということを教師と子どもたちが一緒に考える機会とした。また、「たつやくんの百円玉」の絵本を読み、“みんなが持っている物は誰が買ってくれているのか”“買うお金はどうしてあるのか”などの話し合いを通し、子どもたちが、自分たちのお父さんやお母さんをはじめ、大人の人が一生懸命働いたお金であることに気づいたり、お金の大切さを感じたりしながら、どのように使ったらよいのかを考えられ機会をもった。
反 省

考 察
 子どもたちと一緒に、大切なお金の使い方やエコに関する紙芝居を見たり、物を大切にする内容の絵本を見たりすることによって、お金や身の回りの物、また限りある資源をどのように使っていったらよいのか、子どもたちが教師や友達と一緒に考える機会をつくっていくことは、とても重要であると感じた。今回の実践を通し、絵本コーナーで絵本を読んでいた幼児が、片付けの時間になった時、絵本コーナーの電気を自主的に消している姿や、遊びに使った後の画用紙や折り紙などを、「これ、まだ使えそうやから置いとこう。」と、残そうとする姿が見られるようになった。
 このように、子ども自身が、お金や物の大切さに気づいたり、感じたりすることが、物やお金を大切にする幼児につながっていくのではないかと考える。
 今後も、子どもたちの大好きな絵本や紙芝居を通し、お金や物を大切にすることについて考える機会を保育に取り入れ、子どもたち自身が、お金や身の回りの物の大切さについて興味関心をもって考えていけるようにしていきたいと考える。
なお、絵本や紙芝居などの教材については、年長児も年少児も同じ物を使ったので、内容の理解に差があり、今後、発達段階に適した教材研究の必要性を感じた。
 
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活 動  親子貯金箱作りを通して
実施日  平成26年9月19日(金)
内 容
 参観日に、親子で貯金箱を作ることにより、‘親子でお金や貯金について話し合いながら製作を楽しめるのではないか’‘手作りの貯金箱は愛着がもて大切にするのではないか’と親子貯金箱作りを実施した。金融広報中央委員会の貯金箱(素材はペーパークラフト)に、親子でどんな貯金箱を作るのか一緒にアイディアを出し合い考えながら、マジックで色を塗ったり、画用紙を貼ったり、また、シール・リボン・フエルト・ビーズ・色紙など、いろいろな物を使って飾り付けをしたりし、世界に一つしかない素敵な親子手作り貯金箱を作った。最後に、“何のために貯金をするのか”、“貯めたお金でどうしたいのか”それぞれの子どもたちが自分の目標を決め、画用紙で作った旗に目標を書き、貯金箱に『目標旗』を立てた。
 子どもたちの貯金をする目標には、次のようなものがあった。   
  ・ゲーム機など、自分のほしいおもちゃを買う。
・ディズニーランドやUSJなどに家族のみんなで旅行に行く。
・好きなお菓子を買う。
・犬を飼う。
・みんなで自分の好きな物や、美味しい物を食べに行く。
・お手伝いをしてもらったお金をいっぱい貯めていく。 など
 
   作った貯金箱はそれぞれの保育室に飾り、子どもたちが他のクラスの友達の貯金箱を見て回った後家庭に持ち帰った。
反 省

考 察
 ペーパークラフトの貯金箱を使って、「どのようにすれば、親子で楽しく、そして、世界で一つしかない貯金箱を作ることができるのか」また、「ただ作るだけではなく、お金を大切にしようとする気持ちを育むためにはどのようにすればよいのか」考えながら実践に取り組んでみた。
親子で楽しむために、保護者には事前に貯金箱作りについてお知らせをすると共に、貯金箱の見本を展示し、前もってどのような貯金箱にしたいのか考えてもらえるようにした。また、子どもたちがいろいろな飾り付けを楽しめるよう、子どもたちの好きなシール・リボン・ビーズなど、さまざまな素材や、ボンド、のりなどの用品を園で十分用意しておいた。このことから、短い時間の中で、一人一人がアイディアいっぱいの素敵な貯金箱を作ることができていたように思う。また、お金を貯める目標を考えたり、『目標旗』を立てたりすることにより、よりお金に関心をもつことができたように思う。そして、『目標旗』を見ることにより、保護者や教師が、子どもたちの願っていることや、どのようにお金を使おうとしているのかが分かり、よかったと思っている。
今後、様々な方法で得たお金を大切に使えるよう、家に持ち帰った貯金箱について機会を捉え、話し合っていくことが必要であると考える。
 作った貯金箱は各クラスに展示し、子どもたちは各クラスの友達の貯金箱を見て回ったが、保護者は他のクラスの貯金箱を見る機会がなかったので、保護者に見てもらう機会を作ったらよかったのではないかと反省した。
 保護者
アンケート
より
 年長

 
 
ほしい物が何でもすぐに買えると思ってほしくないので、貯金箱が返ってきたら、それに少しずつでも貯めて努力してほしい物が買えるということを分かってもらいたいと思います。 

 
自分の貯金箱ができたと喜んでいました。目標を決めてそのためにお金を貯めることもお金の意義や感覚を学ぶ一つになったと思います。

 
 
「ぼくのじょうずにかっこよくできたな!!」と、うれしそうに貯金箱を手にしていました。大切な貯金箱への大事なお金をためると、使うときもお金のありがたさを考えてくれるだろうと期待しています。

 
普段は、目標を立ててそれに向かって貯金をするということがなかったので、よい機会になったと思います。

 
 
貯金箱を持ち帰ってから、小銭を貯めようと約束しました。いつもは自分の持っている100円などでは買えないような「ほしい物」も貯めれば買える事、手にした喜びを味わってもらえればいいなと思います。

 年少

 
親子で一緒に楽しく作ることができてよかったと思います。何かを買う目標を決めて、こつこつとお金を貯めることで、お金の大切さを少しでもわかって良いと思います。

 
貯金箱を作りながら、これから子どもが計画を立ててお金を貯め、よく考えてからお金を使える大人になってほしいと思いました。 

貯金をするということを教えるよい機会になったと思います。  


 
貯金箱を作るのは、とても楽しくできました。目標を考えてお金を貯めていく事は、今まで話したこともなかったので、ほしい物を買うためには、いろんな努力が必要だという事を学ぶいい機会になったと思います。 

 
自分で貯金箱を作ったことによって、お金の大切さが少しでもわかってくれればいいなと思いました。
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活 動  お店屋さんごっこを通して
実施日  平成26年11月18日(火)〜19日(水)
内 容
 11月18日(火)に年少組、11月19日(水)に年長組の参観日を行った。参観日では、子どもたちが自分のやりたいお店屋さんになり、お家の方に買ってもらうという、『お店屋さんごっこ』を行った。
 参観日までに、子どもたちは5人ずつのグループに分かれ、グループの友達とやりたいお店を決め、お店の品物作りや看板作りに友達や先生と一緒に取り組んできた。
 年少児は、ドーナツ屋・綿菓子屋・金魚屋・くじびき屋・おめん屋・アイスクリーム屋・ジュース屋・かき氷屋・ポテト屋・ヨーヨー屋の10種類のお店を作った。
 年長児は、写真屋・カフェ屋・くじびき屋・花屋・寿司屋・アクセサリー屋・レストラン・おもちゃ屋・本屋・お菓子屋の10種類のお店を作った。
 お店の品物作りでは、子どもたちが家から持ってきた、空き箱・空き容器・トレー・カップ・牛乳パックなど、いろいろな素材も活用し作った。教師と子どもたちがアイディアを出し合い、いろいろな素材がお店の様々な品物に変身していった。
 また、どうしたらお家の人に買ってもらえるのか、買ってもらったときはどうしたらいいのか、楽しくお家の人にかってもらうためにはどうしたらいいのかなど、お店の人になるための“言葉”や“対応”などマナーについて、事前に各クラスで話し合った。
 『お店屋さんごっこ』の当日、子どもたちはお店を開くうれしさと買ってもらえるかなというドキドキ感を感じながら、広いリズム室にそれぞれのお店を開いた。
 お家の方には、子どもたち手作りの財布に段ボールで作ったお金を入れ、「このお金で買い物をしてください。」とプレゼントした。
 お店屋さんごっこ開始と共に、お家の方が財布を持って各お店を回り買い物をしてくれた。子どもたちは張り切って大きな声で「いらっしゃいませ!いらっしゃいませ!」と挨拶したり、買いにきてくれた方には「何にしましょうか」「どれがいいですか」と声をかけ対応したりしていた。買ってもらった時には、うれしくて満面の笑顔で大きな声で「ありがとうございました!」とお礼もきちんと言えていた。
 このお店屋さんごっこの実践を通し、子どもたちは売り手として、買い手のお家の人とやりとりを楽しんだり、買ってもらった時の喜びを味わったりしていた。
反 省

考 察
 『お店屋さんごっこの』準備を進めていく中で、お店の数が多く、また、保護者の人数が多いことから品物作りに時間を要したり、保護者のお店での買い物時間がどれくらいかかるのか予測するこが難しかったりなど、今回初めて取り組んだ『お店屋さんごっこ』では、さまざまな面で心配や不安もあった。しかし、当日の『お店屋さんごっこ』では、少し緊張は見られたが、大きな声で挨拶をしたりにこにこと笑顔でお店の人になりきって売ったりと、お店屋さんごっこを楽しんでいる姿が見られた。
 また、保護者の方も、子どもたちからプレゼントされた財布とお金を持ってお店を回り、「これ、ください!」「美味しそう!」「よく考えたね!」と、笑顔で子どもたちに声をかけたり、お客さんになりきったりと、とても楽しそうに買い物をしたりしている姿が見られた。
 どの保護者からも「とても楽しかったです!」という感想をいただき、お店作りの準備等が大変であったり、参観日での子どもたちの『お店屋さんごっこ』は初めての取り組みで不安もあったりしが、実施してよかったと思った。
 子どもたちはこの体験を通し、お店の準備の大変さや、売り手としてのお客様への挨拶や対応の大切さ、またお客さまがお店に来てくれたたり、品物が売れたりした時の喜びなどさまざまなことを感じ知ることができたと考える。
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活 動  買い物体験を通して
実施日  平成26年12月12日(金)
内 容
 一人150円のお小遣いを持って、園の近くにあるスーパーにおやつを買いに行った。教師は、子どもたちに「今から、みんなのお財布にお金入れていくね。これが100円玉で、穴の開いているこれが50円玉。今日は、100円と50円で150円あります。このお金で自分の好きな物を買ってね。」と説明した後で、子どもたちの家から持ってきた財布に100円玉と50円玉を入れていった。子どもたちからは、「こっちが100円やなあ。ほんで、穴の開いてるほうが50円やなあ。」「買いたい物決めとうけど、このお金落としたら何も買えんよなあ。」「落とさんように大事にせなあかんなあ。」という言葉が聞かれた。
 100円玉と50円玉の違いから、お金にはいろいろな種類があることや、お金を落としてしまうと何も買えないことなどに気づき、お金によりいっそう興味をもったり、お金を大切にしなくてはいけないという意識を子どもたちがもったりしはじめている姿が見られた。
 また、「これ、妹のお菓子。」「お母さんにも買ってあげる」「お家でみんなで食べるからいっぱい買う」と、安価のお菓子をいっぱい買ったり、「ぼくはこれ一つだけ買いたい。」と、少し高い値段のお菓子を買ったりするなど、150円を子どもたち一人一人がそれぞれに考えながら使っている姿が見られた。
反 省

考 察
 子どもたちが楽しみに待っていた買い物体験では、一人ずつ150円を財布に入れおやつを買いに行った。2種類の硬貨を見たことにより、お金にはいろいろな種類があることに気づいたようだったが、お金とかかわる経験の違いから、硬貨の種類や価値を知っている子と知らない子の差があった。子どもたちがお金を落とさず、自分の買いたい物が買え、楽しい買い物体験ができるように100円玉と50円玉にしたが、発達段階を考え、年少児と年長児が買い物に持って行くお金の内容を検討し、それぞれの年齢に合わせて変えてもよいのではないかと思った。
 子どもたちがおやつを買う様子を見ていると、自分のためだけではなく、家族のためにおやつを買う姿や、一つずつ計算をしながら時間をかけて買う姿、おつりを大切に家に持ち帰る姿も見られた。また、高い物やたくさん買いすぎて、レジの方に「お金が足りないので買えないよ。」と教えてもらう子どもの姿も見られた。
 教師は、一人一人の考えや思いに添い、計算できない子どもと一緒に計算したり、「お母さんの買ってあげてるの。お母さん喜んでくれると思うよ。」「Aちゃん優しいね、妹のも買ってあげてるんやね。」など、声をかけたりしながら子どもたちの買い物を見守っていた。
 子どもたちのさまざまな買い物の姿から、一人ずつがそれぞれに考えながら150円を大切に、そして有効に使おうとしていることがわかった。このような体験が、子どもたちの金銭感覚を育てていくうえで必要なのではないかと考える。
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活 動  製作遊びを通して
実施日  年間
内 容
 家庭や園の毎日の生活の中で、既製のおもちゃで遊ぶのだけではなく、自分たちで遊びに必要な物を作ったり、作った物で遊ぶ楽しさを味わってほしいと考え、いろいろな素材を集めたり、子どもたちがわかりやすく使いやすいように分類しておくなど、素材コーナーの充実を図った。
 子どもたちは、空き箱や、トレー、カップなど、さまざまな素材を組み合わせながら、ロボット・電車・携帯電話など自分の作りたい物を、また、友達と一緒にお店屋さんごっこの商品を作るなど、それぞれの遊びやイメージに応じて作って遊ぶ姿が見られるようになった。このように、さまざまな素材を利用しながら作っているうちに、素材の性質を知ったり、組み合わせ方に工夫が見られたりするなど、子どもたちの成長発達にもつながっていった。
 また、年少児は年長児が一緒に遊んだり、作っている物を見せてもらったりすることにより、年少児の年長児へのあこがれが強くなり、より製作遊びへの意欲が高まり、さまざまな素材を活用して遊ぼうとする姿が見られるようになった。
反 省

考 察
 既製のおもちゃで遊ぶことを楽しむのではなく、さまざまな素材にふれ、活用していきながら自分たちの遊びに必要な物を作っていくことにより、遊びがより豊かになっていくことを感じてほしいと考え、保護者に素材集めの協力をお願いした。
 また、子どもたちが身の回りの物を大切にし、活用していこうとする意識がもてるのではないかと考え取り組んだ。子どもたちは、毎日のように空き箱を始め、ペットボトル、カップ、トレー、牛乳パックなど、さまざまな素材をもって登園するようになった。保護者に協力を求めたことが、幼稚園での金銭教育への取り組みの理解につながっていったのではないかと考える。
 また、教師はよりきめ細やかに子どもの内面理解や動線理解に努め、子どもたちが自分の作りたい物が作れるよう素材を使いやすいように分類分けしたり整理したりをするなど、環境構成を考え整えていった。
   
  (2)保護者への啓発
活 動  学級懇談を通して
実施日  平成26年5月30日(金)
内 容
 幼稚園で『幼児の金銭教育』に取り組むにあたり、家庭で子どもとお金のかかわり(お小遣いなど)をどのようにしているのかを把握したいと思い、各クラスの学級懇談の中で話し合いをした。話し合いの中では、次のような話が出された。
  ・お小遣いは、渡していない。
・お年玉は貯金している。
・ほしい物があるときは、祖父母が買っている。
・誕生日とかクリスマスにほしい物を買ってあげている。
・お菓子などは、100円までと設定して買ってあげている。
・お手伝いをしたときに少しずつお金を渡し、貯めてから好きな物を買う。
                                   など
 
反 省

考 察
 今回の学級懇談は、他にも話し合う議題があったため、お小遣い等の話し合いは短い時間となったが、それぞれの家庭の様子が伺えよかったと思った。また、保護者同士、他の家庭でお小遣いやおもちゃの購入をどのようにしているのかがわかり、参考になったのではないかと思う。
 今後、保護者同士で幼児期の金銭教育についてのみ話し合う機会が必要ではないかと思った。そうすることりより、保護者同士の情報交換ができ、より幼児期の金銭教育への意識がたかまるのではないかと考える。
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活 動  講演会を通して
実施日  平成26年9月19日(金)
内 容
 親子貯金箱の製作の前に講演を聴いていただくことにより、幼児期の金銭教育の大切を知り、意識をもって子どもとかかわりながら貯金箱の製作をしてほしいと考え、親子貯金箱の製作活動の前に、関西学院大学の山教授を講師に招き、講演会を開催した。
 講師先生からは、「子どもとお金−金銭教育を考える」という演題で、資料をもとにお話をいただいた。保護者の方にとっては、初めて聴く「幼児期の金銭教育」の講演であったが、講師先生のご講演の中で、「お金や物の与え方、もらい方を考える」や「おこづかい」という視点からのお話もあり、保護者の方は、自分の子どもたちのことと置き換え考えながら関心興味をもって聴く姿が見られた。
 講師の山先生には、講演後の親子貯金箱作りを参観していただき、幼稚園での金銭教育への取り組みを見ていただいた。
反 省

考 察
 保護者と共に幼児期の金銭教育に取り組みたいと考え、保護者啓発のために、山先生を講師に招き講演会を開催した。また、幼児期の金銭教育とは何か、どのようなことが大切なのか、子どもの成長になぜ必要なのか等について理解し、幼児期の金銭教育に関心をもって、子どもたちと一緒に親子貯金箱作りに参加してほしいと考え、親子貯金箱作りの前に講演会を開催した。
 講師先生の講演の後、保護者からの質問をお聞きしたが、何もなかった。講演後に保護者アンケートを実施したが、講演前にも保護者からの「幼児期の金銭教育」についての質問などをお聞きし、講師先生に前もってお知らせしておいた方がより保護者も理解が深められたのかもしれないと思った。
 保護者
アンケート
より

 
お金に対しての子どもの反応・態度を子どもの成長と捉える考えが自分にはなかったので、聴くことができてよかった。

 
まだまだお小遣いや貯金などは早いと思っていたが、よい学びの機会と捉え、家族でお金の使い方などを話し合っていきたいと思った。

 
 

金銭は、私たちの生活にはなくてはならない大事なものです。しかし、一歩間違えると、とても怖い物になると思いました。金銭の貸し借りはとても難しい問題ですが、子どもにはきちんと正しく教育したいと思います。極力人から借りないように教えたいと思いました。

 
買い物でだだをこねるのは成長の証、というのを聞き、納得できる説明をしていただき、とても勉強になりました。

 
子どものお金のことを教えるのは大変だと思っていたが、小学校になってからのこともたくさん言ってくれて勉強になりました。

 
お金の話で、少し難しいかなと思ったけど、いろいろな話で例えてくれたのでとてもわかりやすくて楽しくてあっという間の50分でした。
   
   
 総合考察
 
 
 
 
 
 
 
 
 本園での金銭教育取り組み一年目の実践を通し、子どもたちのお金や物に対しての意識が変わってきたように思う。遊んだ後の画用紙や色紙など切れ端も、使えそうな物を残して次に遊ぶときに使ったり、セロテープやガムテープも必要に応じた長さを使えるようになってきたりしている。
また、絵本コーナーの整理をしたり、破れているページを見つけると教師に知らせにきたり、教師が絵本の修理をしていると、「一緒に直したい!」と言って一緒にしようとする子どもの姿も見られた。
  このように、少しずつではあるが、子どもたちが身の回りの物を大切にしようとする姿が見られるようになり、一年間の実践を通し、子どもたちの物を大切にしようとする気持ちが育まれてきたのではないかと考える。
 
  
 金銭教育の実践にあたり、子どもたちの大きな環境となる保護者や教師の考えや姿勢が大切であると思った。そこで、保護者や教師がよりいっそう金銭教育について研修をし、理解を深めたり、共通理解を図ったりしながら子どもたちへのかかわりを考えていく必要があると考える。
 
 
 
 本年度の実践の一つである『親子貯金箱作り』で作った貯金箱が、その後家庭でどのように扱っているのか、また、生かされているのかを次年度調べ、次年度の参考にし、実践に活かしていきたいと考える。
 
 

 
 
 園での取り組みを進めていくにあたり、保護者の理解と協力が重要であり必要であると感じた。そのためには、本年度の親子貯金箱作りやお店屋さんごっこのように、保護者と子どもたちが一緒に楽しみながら金銭教育を学んでいける取り組みが必要であると考える。次年度も、保護者と子どもたちが一緒に楽しく、興味関心をもって金銭教育を学んでいけるような取り組みを計画し、実践を積み重ねていきたいと考える。
  
 過去の一覧