●平成26年度鳴門市鳴門東小学校活動内容(抜粋)
 研究テーマ  人やもの、お金の大切さを知り、豊かな心を育てる金銭教育
 T.研究内容
1.研究目標
   人やもの、お金の大切さを知り、家族や周りの人たちやものとの関わりの中で、正しい金銭感覚を身につけた子どもを育てるとともに、働くことの尊さを知り、家族やお世話になった方に感謝する心やものを大切にする心などの豊かな心を育てる。
2.主な学習内容・活動について
   「研究目標」や「めざす子ども像」を具現化するために、次のような学習活動に取り組むことにした。
 ※「めざす子ども像」については25年度実績をご覧下さい。
   学 習 内 容  学  習  活  動
 (1)  お金の使い方を学ぶ  ・お小遣いの使い方
 ・修学旅行の買い物
 ・調理実習材料の購入
 (2)  流通やお金の流れを学ぶ  ・「鳴門金時」を販売しよう
 ・市場を見学しよう
 ・お店の工夫を学ぼう
 (3)  ものやお金の大切さを学ぶ  ・クリーンセンター見学(エコ活動へ) 
 ・金銭金融学習
 ・栽培から消費活動へ
(4)  ものやお金を大切にする心を育てる  ・道徳の授業
 ・絵本の読み聞かせ
 ・農家の見学を通して  
 ・上記(1)(2)(3)の諸活動を通して
3.研究計画
活  動  内  容 学  年
○今年度の研究について
○野菜作り「野菜名人の野菜教室」
○3〜6年 野菜を栽培しよう
教  員
1・2年
3〜6年
○遠足のおやつを買おう
○修学旅行のお金の使い方実践
○「欲しい物には切りがない」
○さつまいも作り(苗植えをしよう)
1〜5年
6  年
3〜6年
1・2年
○クリーンセンターを見学して (エコレンジャー結成)
○「お小遣いの使い方」を学ぼう
○さつまいも作り(お世話をしよう)
4  年
1〜6年・保護者
1・2年
○調理の材料を買って作ろう
○お小遣い帳を付けてみよう
5  年
1〜6年・保護者
○学校・学級・家庭でできるエコ活動 1〜6年
10 ○スーパーマーケットの見学・買い物体験
○野菜作り「野菜名人の野菜教室」
○いもほり   ○おやつ作り「スィートポテト作り」「大学いも」
3  年
1・2年
1・2年
11 ○お芋を販売しよう
○「ものの値段が決まるしくみ」 (徳島市中央卸売市場見学)
2・3年
5   年
12 ○「税の学習」
○金銭教育協議会参加
6  年
教   員
○野菜収穫と販売 1・2年
○茶話会を開こう
○今年度の研究のまとめ
6  年
教   員
  
 U.研究実践
 
学   年 第1・2学年
学習内容 ものやお金の大切さを学ぶ
活  動

概  要
(1)栽培から消費活動へ

  
  
  
  
  
  
  
 
 
  
夏野菜の栽培活動

  
野菜を種(オクラ)や苗(きゅうり、かぼちゃ、すいか、トマト、ミニトマト、なす、白なす、ピーマン、パプリカ、ネギ、しそ)から、育てる。

  
「野菜名人」に野菜作りを教えてもらう。
土づくりの仕方や苗の種類・世話の仕方を教えてもらう。
収穫できる日を楽しみに、水やりや草取りを毎日した。

  
大きく成長したときや花が咲いた時の様子をワークシートにかき、野菜の生長を見守ってきた。
収穫した野菜を生食・浅漬け・野菜炒めなどに調理し、収穫した喜びを感じる。

 
 
 
 
収穫した野菜を調理する
・日頃お世話になっている上級生の友達や先生方に食べてもらい、感謝の気持ち
 を伝える。
・調理方法を学び、家庭でもお家の人と一緒に調理し、食べてもらい、家族に感謝の
気持ちを伝える。

 
 
 
 
冬野菜の栽培活動
・水菜・ダイコン・レタスなどの冬野菜を栽培した。
・「野菜名人」に野菜作りを教えてもらう。
 土づくりの仕方・苗の種類や世話の仕方
・収穫したダイコンをおでんに調理し、収穫した喜びを感じる。
 

水菜・ダイコン・レタスなどの冬野菜を栽培した。

 
「野菜名人」に野菜作りを教えてもらう。
土づくりの仕方・苗の種類や世話の仕方
収穫したダイコンをおでんに調理し、収穫した喜びを感じる。
考   察
 

 
 
 
 
 
 種や苗からたくさんの実や野菜を育てることにより、命の大切さや植物を大切にする心が育った ように感じられる。毎日の水やりや草抜きを行うことにより、自分たちが野菜の世話をしなければ、 枯れてしまうことを感じ、毎朝登校したら、野菜の観察を行い、生長を楽しみにしているようだっ た。また、自分で野菜の世話をし、育てる体験から、勤労の意義やおいしい野菜を食べられる喜びを味わうことができ、苦手だった野菜が食べられるようになった子どももいる。

 
自分たちで育てた野菜を調理し、お世話になっている学年の子どもたちや先生方に食べてもらうことができ、感謝の気持ちを伝えることができた。

 
 
 
 
 野菜がたくさん収穫できたので、何度も調理実習をすることができた。繰り返し行うことにより、包丁の扱いにも慣れて、野菜を上手に切ることができるようになってきた。学校での調理方法を覚えて、家庭でも家族と一緒に調理を行い、感謝の気持ちを伝えながら食べてもらったり、家族の人から「ありがとう」と言ってもらったりすることで、家族の一員であることを自覚することができた。
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学   年 第2・3学年
学習内容 流通やお金の流れを学ぶ
第2学年

概  要
「鳴門金時」を販売しよう ※活動の概要については25年度実績をご覧下さい

 
 
 収穫したさつまいもを地元スーパーマーケットで売らせてもらった。さつまいもを売るために、夏野菜を売った経験をもとに、手際よく看板を作ったり、重さを量って袋詰めをしたり、袋の中にはおすすめのレシピを入れたりすることができた。
第2学年

考  察

 
 
 
 
 実際に店で売るときには、何と声をかけるとお客さんが買ってくれるのかを考えながら売ることができた。「おいしいよ。」「これだけ入って150円です。お得です。」などと、自分なりに言葉を考えながらお客さんに声をかけることができていた。また、買ってくれたお客さんには心を込めて 「ありがとうございました。」とお礼を言うことも大切だということに気づくことができた。

 
 2年生にとっておつりの計算は、すこし難しかったが、互いに教え合い、確認しながら正確にお金を取り扱うことができた。
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 学   年 第3学年 
 学習内容 流通やお金の流れを学ぶ
 活  動

概  要
「らっきょ祭り」でも販売しよう

 
 
 
 
 
鳴門金時を育てる。
・学校の畑の土を耕し、土作りをする。
・さつまいもの苗を植える。
・水や肥料をやりながら、除草などの世話もする。
・土の畑と、砂地でマルチをかけて消毒もした畑との両方で育て、できたさつまい
 もの比較をする。
 ○
 
 
鳴門金時を収穫する。
・土の畑と、砂地の畑の両方で、収穫するときの力加減や、いもの色や形、 大
 きさなどを比較する。
 ○
 
 
 
鳴門金時を調理する。
・自分たちで作れそうなレシピを探し、調理する。
・ふかしいも、いももち、いもけんぴを作り、小学校や幼稚園の子どもや職員に食
 べてもらう。

 
 

 
 
鳴門金時を販売する。
・約500gずつ量り、袋詰めする。
・看板やレシピを作る。
・JAが行っている「らっきょ祭り」で販売する。
・鳴東祭り(学習発表会)で販売する。
・児童玄関で販売する。
児  童

感  想
 はじめはなかなか売れなかったけど、大きな声を出したり、レシピを配ったりすると少しずつお客さんが来てくれました。農家さんとぼくたちのいもを両方買ってくれる人もいました。いもをわたすと「ありがとう。」と言ってくれてうれしかったです。お金の計算もがんばりました。おつりをまちがえないように気をつけました。
 自分たちでつくった鳴門金時をえらんでくれる人が多くて、びっくりしたけどうれしかったです。ほかのお店を見るとすぐ食べられるものだったり、いもほりができたりとくふうがたくさんありました。わたしたちのは、かんばんが目立ったのかなと思います。今度売るときは、とちゅうでねさげをするくふうなどをすればいいと思いました。 
考  察 

 
 自分たちの育てたさつまいもなので、高く買ってほしい気持ちと、たくさん売りたい気持ちとで値段の設定を考えることができた。

 

 
 農家のさつまいもと一緒に売ることで、値段設定の差を考えることができた。味の他に、色や形などの見た目も価値として値段に差が生じることに気付くことができた。

 

 お金の管理をしたり計算をしたりするときに十分に気をつけて取り扱いをしていた。自分たちが稼いだお金という意識もあり、大切に扱おうという意識がみられた。なかなか売れないことで、販売者や農家の大変さを感じられたようだった。

 
 
 
 自分たちのさつまいもがなかなか売れずに、他のさつまいもがたくさん売れていると、なぜなのか理由を考えずに落ち込んでしまう児童がいた。値段以外にも、看板やレシピの工夫はしていたが、社会科の「店ではたらく人」と関連づけてさらに工夫を考えさせてもよかったかと思う。

 
 
 「総合的な学習の時間」を中心に、社会科の「お店の人の仕事」「農家の人の仕事」と関連させて進めてきたが、時間数の調整が難しかった。計画的に進める必要があった。
  
 学   年 第3学年 
 学習内容 流通やお金の流れを学ぶ
 平成26年度

実践から
お店の工夫を学ぼう ※活動の概要については25年度実績をご覧下さい
●社会科「働く人お店の工夫」「スーパーマーケットのひみつ」

 
 
 予算を決められてから、自分のほしい商品はどれくらいの値段なのかを積極的に調べることができた。ほしい商品の値段のおおよそを知ることで、自分が使える残りの値段の予想をつけることができた。

 
 
 実際に買い物をするときには、家から割引券を持参して収入分を増やす児童がいた。割引券を使うことで、自分のほしい物が得して買えることや、割引券があるからその店に行きたいと思う気持ちになることに気付いていた。

 
 「安売り」「品ぞろえ」「安心・安全」「サービス」などのお店の工夫を学び、どのようにしてお店がたくさん商品を売っているのかを学ぶことができた。

 
 
 
 自分のほしい物の値段が思うよりも高かったとき、それにかわる商品を探して購入する児童がいた。予算が決まっているので、その中で我慢できるところは我慢して上手にやりくりをしていた。そのことから、「お金に限りがあるから考えて使った」「お金の大切さを知った」という意見も出てきた。

 
 周りの子が買っているからつい買ってしまう児童もいた。本当に必要か、本当にほしい物なのかを自分で考えさせる必要があった。
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 学   年 第4学年
 学習内容 ものやお金の大切さを学ぶ
 活  動

概  要
クリーンセンター見学(エコ活動へ)
●「ゴミにもお金がかかる ークリーンセンターの見学からー 」
ゴミを集める車はどこへ行くのか。ゴミはどこへ行くのか。

 
 
クリーンセンターの見学に行こう。
・1日のゴミの量を知る。
・どのような仕組みでゴミが処理されるのか調べる。

 
クリーンセンターを見学したときに、ゴミを処理するのに、多額の費用がかかることを職員の方から聞き、これからどのようにしたらよいか話し合う。

 
 
 
ゴミを分別してリサイクルしよう。
クリーンセンターで牛乳パックから再生はがき作りをしたので、紙を分別してリサイクルしよう。
「エコ活動に取り組み、広げよう」

 

 
物を大切に使ったり、リサイクルしたりして、ごみを減量するための方法を考え、実践しよう。
・教室からでるごみを分別し、再利用やリサイクルできるようにしよう。
・家庭でのごみの量を調 べる。家庭でももっとごみを減らせないか。
 電気や水道も限りある資源だから、節電や節水に取り組もう。



エコレンジャーになって、学校の全体に呼びかけよう。
・ごみ減量や環境の大切さを知らせよう。
・毎月の電気使用量・水道料金を調べて掲示し、みんなに協力してもらおう。
考  察 

 
 
 教室から出るごみをできるだけ分別し、再利用したり資源ごみとして出したりした。ペットボトルキャップも資源となり、400個で10円分として発展途上国の子どもたちのポリオワクチン接 種のお金に使われることを知り、協力した。

 
 
 包装による値段の違いを考えて買った。スーパーマーケットでレジ袋を断るとエコ値引きがあったりエコポイントが付いたりすることを体験することにより、ごみを減らすことがお金の節約につながることを実感できた。



 
 

 
 

 エコレンジャーとして、節電・節水・ごみ減量の大切さと協力を朝会で全児童に呼びかけた。ご み減量についてのアンケートを行い、その結果を新聞にまとめて全児童や保護者に呼びかけた。地域の上学年児童の制服や子ども服をもらって着ている児童が多いことが分かった。地域の温かい人 間関係が、ごみ減量や節約につながっていることに気づけた。野菜や海産物を入れるのにレジ袋が必要な家庭があるようで、買い物の時にマイバッグを利用が少ない。また、スーパーマーケットの リサイクルボックスにトレイや牛乳パックを入れている家庭も少ない。ごみとして出すには、指定ごみ袋を買わなければならない。指定ごみ袋を買うお金を少しでも節約できるのではないかと、呼びかけた。


 
 
 不必要な電気を使わないという態度が身に付いた。給食時、晴れている日は電灯を消し、雨の日 は教室の4つのスイッチのうち1つだけをつけるようにした。教室から出る時には必ず電気を消すこと、晴れている日はトイレの電灯をつけないことも実践できた。

 
 手洗い・歯みがきの時、水道を出したままにしないよう互いに気をつけた。使用した後、きちんと蛇口を締めることができた。

 
 
 
 
 
 昨年度の同月との比較して電気使用量・水道料金をホールに掲示することによって、節電・節水の意欲が高まった。プールに水を入れた時の水道料金をまとめた時、その金額の多さを知ることで、水にもお金がかかることが実感できた。水道は料金を掲示したので、一人分○円節約できたと考え ることができた。全ての月で昨年度より節水できた。電気は料金で表せなかったので、児童はイメージがはっきりとはできないようだった。
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 学   年 第5学年 
 学習内容 お金の使い方を学ぶ
 活  動

概  要
調理実習材料の購入体験

 
家庭科「じょうずに使おう物やお金」の学習で、自分の物やお金の使い方をふり返る。

 
家族へのインタビューを通して、買い物(食事の支度)の際に気をつけていることを知る。

 
調理実習に向けての買い物計画を立て、それぞれの食材を買う際に気をつけることを話し合い、買い物をする。

 
家庭科「ゆで野菜サラダを作ろう」で、6年生が育てたじゃがいもを使ってサラダを作る。

 
総合「見つめ直そう 鳴門東 〜Let's go 鳴門らっきょ調べ隊!〜」で、地域の特産物「鳴門らっきょ」を使って、簡単な料理を作る。
活動を通して、学んだことを話し合う。
授  業

概  要 
@これまでの買い物をふり返ってみよう
・文房具をデザインで選んだけど、使いにくかった。
・自分が買った物が、別の店で安く売られていた。
・買った物を、結局使わなかった。
・安売りの店で買ったけど、すぐに壊れてしまった。
・くじ引きや抽選をするために、余計なお金を使ってしまった。
・自分が興味のある方を選ぶと、値段が高かった。
・お菓子やジュースを買ったけど、おいしくなくて食べきらずに捨ててしまった
A家族へインタビューをしよう 
  〜食材の買い物をする時、どんなことに気をつけているの?〜
 




・安全なものか。新鮮か。いたんでいないか。産地はどこか。無農薬か。
・賞味期限、消費期限はどうか。
・栄養はどうか。
・みんなが食べられるものか。(アレルギーへの対応)
・献立に必要なものか。
調




・産地はどこか。メーカーはどこか。質のよいものか。
・添加物はどうか。体によいものか。
・賞味期限はどうか。
・少なくなったものを買い足すようにしている。
・チラシを見て値段を比べる。安売りの時に買う。
・よく使うものは、大きいもの(業務用サイズ)を買う。
 
 






・なまものは、いたんでいないか、とれたてかをよく見る。
・調理しても、なまで食べてもおいしいものを選ぶ。
・献立を考えて、使い切れる量を買うようにする。
・旬のものを取り入れる。(栄養たっぷり、値段も安い、おいしい)
・タイムサービスを利用する。
・チラシの特売を確認する。
 以上のことから、家族の人が、食材の買い物をする際に、様々なことに気をつけながら買い物をしていることに気づくことができた。 
 
B
 
買ったものを無駄にしないために、事前に調理員さんに野菜の分量についてインタビューをしよう。
 考  察

 
 
 この学習を通して、レンコンを使うグループが、「旬のものではないし、値段が高いので、とうもろこしに替えよう。」と話し合った。結果的に、値段や味だけでなく、彩りもよくなった。

 
 昨年度は、同じスーパーマーケットへ買い物に行く際に、ジャンボタクシーを利用したが、今年度は、往復路線バスを利用した。交通費の面でも、節約できた。

 
 
 
 特別支援学級在籍児童は、これまでレジで会計をした経験がなかった。今回の実習で、初めて経験することができた。「持っていたお金(予算)よりも、安かったのでよかったです。○○さんが、サポートしてくれたのでうれしかったです。」という感想が聞かれた。

 
 
 じゃがいもを使うグループには、6年生がじゃがいもを収穫したことを伝えると、自分たちで分けてもらえるようお願いに行った。とれたてで、安心できるものを無料で手に入れることができた。

 
 
 買い物実習で、会計の後すぐにレシートを捨ててしまった児童がいた。「よく考えて買う」ことに重点を置いてしまったが、購入後にレシートを確認することや、記録に残していくことの大切さ も指導するべきだった。


 
 
 
 
 昨年度は、学習した内容を実生活に生かしていくためにも、あらかじめ予算を設定し、その中でやりくりしながら上手に選ぶ必要があるという反省点があがった。そこで、今年度は、買い物計画 をもとに予算を話し合ったが、「千円では心細い。でも、2千円までは必要ないと思う。」と、大体の金額になってしまった。小学生の発達段階に合わせると、予算はどのようにして設定するとよい のか、今後、考えていく必要がある。

 
 学習したこと生活の中に生かしていくために、今後、家庭と連携して買い物のお手伝いができる機会を設けるようにする。
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 学   年 第6学年 
 学習内容 ものやお金の大切さを学ぶ
 活  動

概  要
金銭金融学習
●阿波銀行出前授業「お金はどこから来て、どこへ行くの?」
 はじめに、1億円の札束(模造品)を見たり、持ち上げたりしてお金に関心をもたせた。そして、お金のルーツの話をして、物々交換での不都合さを説明し、お金の必要性を理解させた。石や貝殻がお金として使われていたことなどを説明した。そして、「あなたにとってお金とは何ですか?」と問いかけ、「(生きていく上で、)大切なもの」「学校や習い事に必要」との意見をもとに、「お金は、生活をする上で大切なものであり、夢を実現するために必要なもの」とまとめた。
 次に、「あなたが持っているお金でほしいモノが買えないとき、あなたはどうしますか?」と質問した。「お手伝いをする」「我慢する」「あきらめる」と子どもたちは発表した。そして、「お金は計画的に使うことが大切ですね」とまとめた。次に、アルバイト店員の月収について説明し、まわりの大人の人がどのようにお金を手に入れているかを説明した。最後に「4人家族が1ヶ月生活するのに必要なお金はいくらだと思いますか。何に何円くらいかかるか予想してみましょう」とワークシートに記入させ、項目と予想金額を発表した。食費・光熱費・交通費・学校や習い事の集金・服代など子どもたちは自分の生活を元に考え、積極的に発表していた。合計金額が30万円と聞かされると驚きの声があがった。「家族の人が協力してお金をもらってきて、みんなの生活が成り立っているんですね」と説明された。
児  童

感  想 
 1ヶ月で4人家族はどれくらいお金を使うかで、約30万円と聞いてびっくりしました。ふだんは気にしていなかったけれど、電気などはすぐに消そうと改めて思いました。
お金は大切にしなければいけないので、欲しい物があるときでも、本当に必要なのかを考えて、買い物をしたいと思います。
 お金は私たちにとって、生きていくためにとても大切なものです。これからは、お金の使い方に気をつけて、自分でしっかり考えて、計画的にお金を使っていきたいです。
 考  察

 
 
 
 

 
 4人家族が1ヶ月で使う生活費が約30万円必要であるという説明から、「お金の使い方を考え 大切に使っていきたい」と思う児童や、「水道や電気など無駄にしていることはないかとふり返り、節電・節水を心がけたい」と思う児童がいた。4人家族が1ヶ月で使う生活費という子どもたちにも具体的で分かりやすい場面を設定することで、身近に感じ、自分のこととして考えることができたのだと考える。また、時給800円のアルバイトで1ヶ月でいただける給料との比較から、働いて給料をいただく大変さや、働くことの大切さを学ぶことができた。

 
 
 いただける給料は仕事の内容によってちがってくるけれども、どの仕事も人のためになっているという、仕事の大切さも教えていただき、子どもたちにとってよかったと考える。
 今後、租税教室を実施し、「私たちのくらしと税金」について学ぶことになっている。
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 学   年 第1〜6学年
 学習内容 お金の使い方を学ぶ
 活  動

概  要
PTA家庭教育学級「子どもの金銭教育について」の開催(保護者を含む)
 平成26年度は、6月のPTA家庭教育学級で金融広報アドバイザーの玉田樹身英先生をお招きして「子どもの金銭教育について」の講演会をおこなった。
 最初に、「お小遣いをもらっているか」「お小遣いを何に使っているか」「買った後で、買わなければよかったと思うことはなかったか」「お小遣い帳をつけているか」といったことを児童に問いかけながら、今、お金をどのように使っているかを考えさせてくれた。
 次に、「チャレンジおこづかいゲーム」をおこなった。家庭教育学級役員の方にも協力していただき、お金を使ったり、貯金したり、買うか買わないかを判断したりと楽しみながらお金のゲームをした。このゲームを通して、お金の使い方を考えたり、物を買うときに自分で判断したり、時には、我慢したりすることが学べた。
 お金は、人が生きる上で、無くてはならないものである。そのお金の使い方を楽しく学ぶことができたので、今年の夏休みも「お小遣い帳にチャレンジ」を実施することにした。

 学   年 第1〜6学年
 学習内容 ものやお金を大切にする心を育てる
 活  動

概  要
(1)絵本の読み聞かせ
   毎月2回、鳴門教育大学の学生が、部活動等支援ボランティアとして「読み聞かせ」に来校している。「金銭教育」に関係する絵本の紹介を依頼し、次ような実践を行った。
@「もったいないばあさん」
  作・絵:真珠まりこ 出版社:講談社

 

 

 物があふれているこの時代に、「もったいない」という気持ちを、押し付けることなく楽しく教えられる内容でした。ご飯粒を食べ残した時も、「もったいないばあさんが来るよ」とか、電気をつけっぱなしにして遊んでいるときも「もったいないばあさんが来るから、消して」と言うと、すぐに消してくれました。低学年の児童に「ものを大切にする心」を育てるためにはよい絵本でした。
A「ペレのあたらしいふく」
   作・絵:エルサ・ベスコフ、訳:小野寺百合子 出版社:福音館書店

 

 

 
 ペレという男の子が、服が小さくなってきたので新しいものを作ろうと思い立ちます。羊の毛を刈り、すき、紡ぎ、織り、染め、仕立ててもらいます。そのために、家族や近所の人たちと協力しあいながらひとつのものを作り上げて行く行程が描かれています。労働して、いくつもの段階をへて手に入れた新しい洋服をペレは大切に着るというお話です。この話を通して、お手軽で物質主義的な現代社会の生活の中でこそ、伝えたい物語でした。
(2)金銭教育の体験活動から
 これまでの実践報告の中にあるように、栽培するときにお世話になった方への感謝の気持ち、収穫した野菜や鳴門金時を販売体験から、働いてお金をもらって来てくれている家族に対する感謝の気持ち、さらに、小学生が販売しているものを進んで買ってくださるお客様や販売の場所を無償で提供してくださった関係者の方々への感謝の気持ち、などたくさんの「ありがとう」を言う機会を通して、心も豊かになった。
 さらに、野菜の調理・おやつ作りなどを実践するときに、「お世話になった人にも食べてもらおう」と他の学年に届けたり、そのお返しに「ありがとう、おいしかったよ」とお礼を言ってもらう体験は、お互いを思いやる温かい心を育てることになった。
    
 V.研究の成果と今後の課題
  1. ものやお金の大切さや使い方に気づき、健全な金銭感覚を身につけた子ども
   全校で取り組んだ「お小遣いの使い方」や第6学年「修学旅行のお小遣い計画」、第3学年と第5学年「買い物をしよう」などの実践を通して、「お金の大切さ」に気づくことができた。
 さらに、平成26年6月に実施したPTA家庭教育学級の「子どもの金銭教育について」に参加して、お小遣い帳を継続して使ったり、「お小遣いを渡して、お金の使い方を学ばせる必要を感じた。」と保護者の方から感想をいただいたりした。
 特に、平成26年度は、阿波銀行の出前授業「お金はどこから来て、どこへ行くの?」を実施し、小学校高学年として「生活を成立させるお金の大切さと計画的にお金を使っていくことの必要性」を学ばせることができた。
 この研究実践を生かし、継続的に「お金の使い方」を学ぶ機会を設けていきたい。
  2.働くことの尊さを知り、身近な人々への感謝の気持ちをもつ子ども
   自分たちが育てた野菜や花・鳴門金時の販売体験を通して、「一生懸命に声を出して、お芋を買ってもらった」などの感想をもつことができた。そして、お世話になった農家の方を招待して、「おいもパーティー」を行った。さらに、収穫した野菜で作ったサラダや味噌汁を他の学年や先生方に食べてもらうなどの活動へと広がっていった。
 また、農家やわかめ養殖業者での体験活動を通して、働くことの大変さと収穫の喜びを感じることができた。そして、「らっきょ花祭り」で鳴門金時を売る時には、「なかなか売れない」という貴重な体験も得られた。
 今後も、栽培活動を発展させた販売体験も計画的に実施し、「働くことの尊さ」や「身近な人への感謝の気持ち」を育てていきたい。
  3. お金の価値を知り、健全な消費生活能力の基礎を身につけた子ども 
   第3学年ではスーパーマーケットの仕組みや店の工夫を学び、商品がたくさん売れるように工夫されていることを学んだ。また、消費者の立場から「家族からの注文品」を購入するときには商品を慎重に選んでいた。第5学年では家庭科「調理材料」を購入したり、第6学年では「修学旅行のお土産」を購入したりする活動を行った。この活動を通して、予算を考えて購入すること、産地や消費期限・量などを商品選びの観点にすることなどを学び、望ましい消費活動を行う機会となった。
 また、購買委員会では、在庫になっている古いノートなどの文房具を値引きして販売する活動を行い、物の価値について考える実践となった。
 今後も、各教科や領域の中で金銭金融教育を推進できるようにしていきたい。
  4. 健全な消費生活能力の基礎を養うための保護者への働きかけ
   児童が栽培した野菜を持ち帰り、収穫の喜びを家族で感じたり、児童を迎えに来た時に野菜や花を購入してもらったり、さらに、第3学年や第5学年の買い物体験の時に家族に聞き取りをするなどして、金銭教育について関心をもってもらうように働きかけてきた。
 また、「学校だより」に金銭教育コーナーを特設して、他の学年の取り組みを紹介したり、お小遣い実践を紹介したりして、家庭でもお金の使い方について考えていただく機会としてきた。特に、PTA家庭教育学級で「子どもの金銭教育について」の講演を子どもとともに聞くことで、保護者の意識も変わったようである。夏休み中の「お小遣い帳」の実践にも前向きな感想が寄せられた。
 学校での「金銭教育」の取り組みは、保護者にとっても、消費生活を見直したり、子どもとの絆を深めたりする良い機会となった。
 今後は、徳島県金融広報委員会主催の講演会や体験学習などにも積極的に参加していただくよう案内パンフレットを配布して、親子でお金の使い方や与え方、商品の購入の仕方、労働と報酬などについて考え、実践できるようにしていきたい。
   
 W.おわりに
   本校の多くの児童は、豊かな物に囲まれ何不自由なく育ってきている。落とし物をしても取りに来ない、物を大切にしない、お小遣いをもらっていないために労働の尊さもわからない児童もいたが、本研究を機会に消費、経済、貯蓄、労働など金融に関する活動に関心をもち、お金の役割や働くことの意味についての基礎的な知識や技能を身につけることができてきた。さらに、望ましい消費生活や将来の生活設計などについて考えようとする意欲や態度の基礎を養うことができたと思われる。
 今回の研究に係るさまざまな体験的活動の実施にあたり、JA徳島北・鳴門市内スーパーマーケット各店・阿波銀行・徳島市中央卸売市場などの諸団体、地域の方々の心温まるご支援とご協力を頂いたことに、心より感謝申しあげたい。
 今後も、身近な人々への感謝の気持ちをもち、ものやお金を大切にしながら、心豊かに生活ができる子どもを育成するための実践を深めていきたい。
   過去の一覧