●平成19年度大野幼稚園活動内容(抜粋) |
|
金銭教育でめざす子どもの姿と目標 |
・ ものや人やお金の大切さに気付き、健全な金銭感覚を身につける子ども ・ 自分の周りで働いてくれる人たちに、感謝の気持ちが持てる子ども ・ 働くことの大切さを知り、自分でできることは進んで手伝うことのできる子ども |
|||||||||
|
|||||||||
金銭教育でめざす子どもの姿 |
現在の社会状況の変化は、子育て環境に大きく影響し、本園でも保護者への対応の難しさということが、大きな課題の一つになっている。この背景には、若い保護者世代の生活スタイルや価値観と、園のめざす幼児像や望ましい保護者の姿に、大きなズレが生じていることがあると考えられる。 このような現状を踏まえて、お金や資産は有意義な人生を送るための手段の一つであって、人生の目的ではないということ、自分が贅沢で安楽な生活をするために、お金を使うのではなく、必要な人や目的のために使う大切な手段の一つという意識を身につけさせたいと考え取り組んだ。いろいろな取り組みを計画し、実践していくことで、保護者にも共に研修し、子育てに生かしていただきたいと願い、取り組んだ。 |
||
研究の方法 |
金銭教育への取り組みは、子どもたちの園生活の中でいろいろな面から学ぶことができるだけでなく、経験を重ねることで身につき、生きる力が育っていくと考えられる。 ○本園の子ども・保護者の生活の中での問題点 ・ 落とし物や忘れ物が多い。 ・ 名前を自分の持ち物に記入できていない。 ・ 次々に新しいものを持ってくる(ハンカチ・ティッシュなど)。 ・ 通園カバンに、キーホルダー類をいっぱい付けてくる。 ・ 用を頼んでも、返事をしないで聞こえないふりをしたり、イヤと言ってその場からいなくなる。 ・ ゴミが目の前に落ちていても拾おうとしない。 ・ 自分のものを平気で人にあげてしまう。 |
||
実践事例−地域社会の中で−(抜粋) |
|
毎年、夏休みに入ったすぐの日曜日に"納涼の集い"を開催して楽しんでいる。今年は子どもたちがお店を出して、売り子体験をすることに決まった。 みんなでどんなものを売りたいか、どんなお店屋さんをしたいか考え、相談した。年長児ははたおり機を使って、ミサンガを織ったりビーズでストラップを作ったりして楽しんでいたので、そんな作品もお店で売ろうと話し合った。 |
|
|||||||
|
|
|||||||
研究と成果と今後の課題 |
・ 幼稚園での金銭教育をどのように教育活動の中に取り入れていくかは、とても不安で自信が持てなかった。しかし、4歳児のA子が給食の時、"これ いらん" "こんなんすかん" "たべれん"などと言いながら給食を残している友達の様子を見て"もったいないなあ〜!おばあちゃんが食べるもんは大事にしいっていうたな!もったいないでえ"と、言った一言から、毎日の保育のいろいろな場面で子どもたちの取り組んでいる活動を生かすことが、金銭感覚を身につけていくことにもつながると再認識した。 ・ 幼稚園の中にも、格差があり、その現実を子ども達も感じていることに、職員も切ない思いをする時がある。このような現状を踏まえ、私たちは一年間金銭教育に取り組んできたが、お金は有意義な人生を送るための手段であって、人生の目的でないこと。また、自分だけが贅沢で安楽な生活をするために使うのではなく、必要な人や目的のために使わないといけないということを、小さい時から知らせていくことが大切だと保護者の金銭教育に対する言動から再認識した。 |
||
おわりに |
園児たちも教職員も保護者も"金銭教育って何?" "幼稚園児に今、必要?"と、手探りでこの一年間取り組んできた。一つひとつ体験を重ねていくことで、園児にも保護者にも教職員にもこれからの子どもたちの生きていく社会にいろいろな困難があっても、段取りよく生活していく力やものやお金の大切さ・正しい価値観を持って適切な生かし方をしていく力・勤労を尊ぶ力が必要と気づき、身につける努力をしてこれたように思う。 平成19年度の取り組みを生かしながら、20年度はより一層金銭教育への取り組みをきめ細かく把握して、子どもたちや保護者の生活の中に根づかせていけたらと願い、研修を重ねていきたい。 |
過去の一覧 |