○問題解決学習の過程に基づいた授業を設計し実践する
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主体的・対話的で深い学びを実現する授業を設計するに当たり,教育課程審議会,家庭,技術・家庭ワーキンググループでの学習プロセスを参考にし,授業設計を行った。そのひとつとして,食生活の内容である「食品の選択」の学習で題材としてスパゲティ・ミートソースを取り上げた。 |
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@ 課題発見 |
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ミートソースは,スーパーなどに行けば一棚を占めるほどの商品がある。また,冷凍・缶詰・レトルトパウチなど種類も多くあり,価格も様々である。教科書にもレシピが掲載されており手作り品との比較もできる。生徒は今までに食生活の内容で,「栄養素の種類と働き」「食品の栄養的な特徴」「食品の選び方」を学習し,前年度に,消費生活の内容で「情報の収集・整理」「消費者の権利と責任」を学習している。授業で今までの学習のまとめとして「スパゲティ・ミートソースを選ぼう」と課題を設定し,5種類の商品と手作りとして1つを提示し,生徒に選択させる授業を行った。 |
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A 決定のための情報の収集と分析/比較・検討 |
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それぞれの商品情報をワークシートに整理し記入させる。生徒は,はじめに気になる3つを選択し,それぞれについて個々に考えた視点で情報を整理していく。価格,消費・賞味期限,調理時間,手軽さ,食品添加物,製造元,内容量,カロリーなどがあげられた。さらに3つの中でイチオシのミートソースとしてひとつを選択させ,なぜそのソースを選択したのか理由を明確にするため,自分が重視した視点をダイヤモンドランキングさせた。 |
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B 実習・調査・交流などの実践活動 |
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次に,グループでの交流を行い,自分が決定したミートソースについて理由や重視した視点を話し合う。また,グループで出てきた視点を整理しグループ内でもダイヤモンドランキングさせた。生徒にとっては,自分が重視していた視点が友達にとっては下位の項目だったり,自分が思ってもいなかった視点を重視していたりして,話し合い活動も白熱した。友達の意見から学んだ視点などはワークシートに色ペンで記入させた。 |
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C 振り返り 評価・改善 |
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グループで話し合う中で商品の情報を整理する視点が増えたが,もう少し具体的に思考させるために,さらに条件設定を行った。再思考させる前段階で教師が作成したスライドを見せる。予算制約あり・買い物は必須,人数の制約あり,というように具体的に条件を設定し,改めて個々に検討する。視点の優先順位が変化して,最初に選んだ商品とは異なる商品を選択したという生徒もいる。 |
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