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題材のはじめに,生活を送るために必要なものは商品として購入していることや,様々な購入方法や支払い方法があることなどの基礎的・基本的な知識及び技術を習得させた。その後,内容C(衣生活)との関連を図り,「Tシャツを選ぼう」で,Tシャツの選択・購入について疑似体験を通し指導した。
次に,中学生にとって関心が高い携帯電話やインターネットの使用における通信販売等のトラブル事例,消費者の権利と責任について学習した。さらに本小題材「買い物アドバイザーになろう」で,商品についての情報を取捨選択し,責任のある意思決定ができるよう学習を深めた。 |
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小題材「買い物アドバイザーになろう」では,深く考える授業の一連の流れに基づき,これまで学習した基礎的・基本的な知識及び技術を活用し,さらに「修学旅行で使用するカメラ」という設定条件を加えることで,より具体的に自分のおかれた状況(使用目的,使用場所,予算など)を踏まえ,商品の選択・購入について考えることができるようにした。
@「課題把握・目標設定」
これまでの商品の選択や購入・活用の学習では,よりよい商品を購入しなければいけないということは理解できていても,実際にどのように使うか,購入してどうなるのか,自分にとってよりよい商品とはどのようなものかなど,生徒個々の実生活と結び付けて検討することは十分ではなかった。本題材ではそのことを踏まえ,広告における売り手側の意図や,買い手に必要な情報の整理の仕方を学習し,実際に商品を選択・購入・活用するときにはどのようにすれば良いのか気付くことができるよう「買い物アドバイザーになろう」という目標を設定することとした。
図2 深く考える授業の一連の流れ
A「具体化」
本小題材では,「実際に購入することをイメージできる」,「無店舗販売での購入や多様な支払い方法が考えられる」,「アフターサービスや環境などの視点を設定できる」など,消費生活の学習において生徒に気付かせたい商品選択の視点が考えられるカメラの選択・購入の場面を取り上げた。具体化の段階で,生徒は教師が作成したカメラカタログの中から,価格やデザイン,機能などを検討し,自分が購入したいカメラを選択していく。また,グループでの話し合い活動を通して生徒が個々に考えを深められるようにした。
B「最適化」
具体化の段階で一つのカメラを選択した後,「修学旅行で使用するカメラ」という設定条件を加えた。荷物の多い中で携帯することなど,より具体的な使用場面を考えながら,生徒は自分のおかれた状況を踏まえてもう一度カメラの選択を行う。そこで,カメラが本当に必要かどうか,さらに修学旅行後のことも考慮しながら,最適な解決策を決定していく。カメラの購入を検討することを通して,将来カメラ以外の商品やサービスを選択するときにも,自分自身が良き買い物アドバイザーとして深く考えることができるよう授業を進めた。 |
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@ ワークシートの工夫(図3「具体化」の段階のワークシート)
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ア 「具体化」段階のワークシート
「具体化」は,習得させた基礎的・基本的な知識及び技術を活用し,自分の選択について発表することにより,「解決策」をまとめる段階である。カタログから,おかれた状況に応じて選んだカメラとその視点や理由をまとめ,それぞれの意見をホワイトボードを用いて,グループで発表した。
イ 「最適化」段階のワークシート
設定条件「修学旅行で使用するカメラ」を加え,これまでに優先した視点に加え,修学旅行での状況を具体的に深く考えていく。「具体化」の段階のワークシートに,色ペンを使用して書き加えるようにし(図3B),設定条件によってどのように思考が変化し,深まったか見取ることができるようにした。カタログからカメラの様々な情報を読み取り,修学旅行に必要なカメラの視点を考え,来年修学旅行へ行く後輩へアドバイスできるようにした。 |
A教材教具の工夫
自作のカメラカタログ
デザインや色,値段に加え,環境やアフターサービス,購入方法など,消費生活の学習において生徒に気付かせたい商品選択の視点を入れた6種類のカメラのカタログを作成した。
B評価の工夫
本題材の学習を進めるにあたって「指導と評価の計画」を作成した。最適化の段階の「生活を工夫し創造する能力」の評価を次に示す。
ア 「十分満足できる」(A)と判断した例
イ 「おおむね満足できる」(B)と判断した例
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