●平成27年度徳島県立城西高等学校神山分校
 
 ≪研究主題≫
  社会に出ても困らないように〜知っておこう 身近な経済〜
 
 実践事例
 
1.通常の授業における指導
賢明な消費者として(現代社会・3年)
消費生活トラブルの実際と対処(現代社会・3年)
保険のシステムと注意点(現代社会・3年)
日本の金融システムについて(現代社会・3年)
マイナンバー制度について(社会科・全学年) 
消費行動を考える(家庭総合・1年)
経済的に自立する(家庭総合・2年)

   2.特設の時間による学習 
  
9月〜
  11月
文化祭における金融・金銭をはじめとする展示物作成
  全国紙と地方紙の合計6紙,1か月分から金融・金銭をはじめとする経済関係の記事をスクラッピング,分類,さらにはジャンル別に模造紙に添付し,自分が一番関心を持った新聞記事についてのコメントを寄せた。展示物の作成は3年生が中心であったが,記事の分類や掲示物のレイアウトには1・2年生も関わった。11月15日の学校文化祭に展示して多くの来校者に見てもらうとともに,文化祭終了後も12月末まで校内に掲示した。また,年金や消費生活トラブルに関するパンフレットを文化祭時に配布して,啓発活動の一環とした。
  
  スクラップをしたテーマは,消費生活の知恵・マイナンバー制度・企業モラル・特殊詐欺や消費生活トラブル・年金・保険・ローンとクレジット・製品事故・預貯金と金利など多岐にわたり,生徒たちもこれほど記事があるとは思わなかったようだ。また,18歳から選挙権を持つことについても考察した。
10月 3年生対象とした金融・金銭プログラム
   国民生活センターのホームページから消費生活トラブルの実際を学び,トラブルの解決方法や商品テストについて学習
12月 全学年を対象とした年金セミナー
   日本年金機構の出口先生の年金制度に関する講演
1月 全学年を対象とした金融・金銭教育プログラム
  徳島県消費者情報センターの小田先生による契約を中心とした講演
3月
1・2年生対象の金融・金銭プログラム
 主にローンとクレジット契約について本校教諭が実施
1・2年生対象の高校生のための法律出前講座
 悪質商法について徳島県司法書士会を招いて講演 
1・2年生対象の租税教室
 税金の仕組みとその使われ方について徳島税務署を招いて講演
 
     
 実践1年目に見えた成果と課題
   城西高等学校神山分校の全校生徒数は84名,学校の立地は徳島市内から路線バスで1時間ほどかかる中山間地である。生徒のタイプは押しなべておとなしくまじめ,ただ学習が苦手なタイプの生徒が少なからずいる。校内は落ち着いた雰囲気で,家族的な環境下で学校生活を送っている。
 金融・金銭教育の研究校としての実践は,実質2学期からになったが,生活に密着する「お金」に関する学習が多いので,関心を持った生徒が多い。特に3年生は文化祭展示のための学習と作業が長かったこともあり,経済専門紙の特性を実感した生徒が多い。全校生徒が総務省のホームページで学習したマイナンバー制度については,アルバイト先から提示を求められた等,たちまち自分に関係してきた生徒もいる。ただ,ローンとクレジットや金利については特に「まだ用事がない」と感じている生徒は少なからずおりますし,保険の学習では商品の多さと複雑さ,年金に関しては制度の維持そのものに関する危機感のなさなどが見受けられた。
 次年度に向けては,さらに金融の各制度に関する理解を深めさせるとともに,生産から販売までの体験的な学習を通した学習を展開して行きたいと思う。
    (文責  笠井智恵)
  
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