●平成24年度徳島県立小松島西高等学校活動内容
 
 研究テーマ  「ビジネスの諸活動と経済・金融
   〜TOKUSHIMA雪花菜工房の活動を通して〜」
 
 1 研究活動計画
                      取  組  内  容  実施時期
(1) 地元産品を使った商品開発を行い、地域活性化に貢献する
 7月〜11月
(2)
 
J2徳島ヴォルティスのホーム戦をプロデュースし、プロスポーツチームを通して徳島を元気にする
 5月〜10月
(3) 消費者問題および消費者トラブルについて学習する
 4月〜 3月
(4)
代金決済について考え、クレジットカードやローンの仕組みについて学習する
 1月〜 3月

 
 2 研究内容
● 地元産品を使った商品開発を行い、地域活性化に貢献する
@取組の
  ねらい
 地元の特産品を活用した商品開発を行うことで、徳島県の活性化につながるとともに、生徒にとっては徳島を知ることで郷土愛を育むことができる。また、「企画→開発・仕入→販売→会計処理」というビジネスの一連の活動を通して、日々の授業を体験的に学習することができる。また、就業体験では販売活動を通して、キャリア教育の推進を図る。
A取組の
  概 要
 ・発想法トレーニング(ブレーンストーミング・KJ法など)
 ・徳島県や小松島市の特産品調べ
 ・商品の企画、開発
 ・店舗設計
 ・接客マナー
 ・はちはち狸祭りへの参加
 ・振り返りと反省
Bまとめ
 11月3日(土)、本校と小松島市役所、商工会議所、商店街と連携し、小松島市のたぬき広場で「はちはち狸祭り」を実施した。商業科では1年「ビジネス基礎」の授業の中で徳島県や小松島にこだわった商品を企画し、徳島県内の企業に開発や仕入を依頼、当日販売活動を行った。また、食物科によるパン・焼き菓子の販売、生活文化科によるファッションショー、福祉科による阿波踊り体操など全校挙げての取組となった。この取組の中で、「企画→開発・仕入→販売→会計処理」とビジネスの一連の過程を体験することができた。また、販売活動の中でビジネスマナーやコスト意識など、ビジネスに対する心構えを学ぶことができた。
  
● J2徳島ヴォルティスのホーム戦をプロデュースする
@取組の
  ねらい
 プロサッカーチームが地元にある県は多くない。欧州ではサッカーが生活の中心にあり、なくてはならない文化となっている国もある。そこで、徳島ヴォルティスのホーム戦を学生がプロデュースすることで徳島県を元気にできればと考えた。生徒にとっては、企業や大学生との全体会議への参加や共同記者会見、目標集客数を達成するための企画・立案を通して、働くことの意義や望ましい職業観を育むことができる。また、企画を実施するには予算が必要であり、会議で説明するための企画書や予算書の作成など、実務を通して主体的な学習ができる。
A取組の
  概 要
 ・発想法トレーニング(ブレーンストーミング・KJ法など) 
 ・様々な事例を調べる(他のスタジアムでの企画やイベントでの企画)
 ・全体会議への参加
 ・スタジアム内外の企画立案
 ・ヴォルティスホーム戦プロデュースへの参加
 ・振り返りと反省
Bまとめ
 本校と徳島商業高校、県内5大学(徳島大学、徳島文理大学、鳴門教育大学、四国大学、徳島工業短期大学)で連携し、10月28日(日)に行われた対東京ヴェルディ戦のホームゲームをプロデュースした。スタジアム外では「雪花菜アイスフェア」と「学生縁日」と題したブースを展開し多くのお客様で賑わいを見せたほか、スタジアム内では、試合前の時間を使い「スタジアムウェディング」と銘打った、スタジアムでの結婚式を実施した。その他、吹奏楽部によるハーフタイム演奏や生活文化科によるファッションショーなど多くのイベントを実施した。生徒は5月から全体会議に参加し、企画を練り始め、「TOKUSHIMA雪花菜工房」と課題研究「ニュービジネス」の授業の中で本校の企画を考えた。
  このイベントを通して徳島県の活性化に貢献するとともに、郷土愛を育むことができたと考えている。また、企画の立案に際しては「徳島」を意識したイベントを考えることで徳島を知ることにつながった。イベント当日は販売活動を通して、お客様の視点に立った接客態度、経済社会の一員としてのキャリア教育を推進することができた。
 
● 消費者問題および消費者トラブルについて学習する
@取組の
  ねらい
 経済生活がどのように成り立っているのか、経済主体や市場の仕組みについて学習し、経済社会の一員としての自覚や倫理観を育む。また、現代社会にはさまざまなビジネスがあることやビジネスの課題となっている地球環境問題やエネルギー問題、それらを解決するためのエコビジネスが盛んになっていることを学習し、望ましい消費者行動ができることを目指す。さらに、新聞記事やWEBを活用し、悪質なセールスや振り込め詐欺などのトラブルなど、日々のニュースで取り沙汰されている消費者問題やトラブルを題材にし、内容を知ることでトラブルを未然に防ぐ力を育てる。また、PL法やクーリングオフの制度についても学習する。
A取組の
  概 要
 ・経済生活と経済の仕組み
 ・ビジネスの役割と諸活動
 ・経済環境の変化とビジネス
 ・ビジネスの課題
 ・悪質なセールスについて
  (キャッチセールス・アポイントメートセールス・SF商法・マルチ商法)
 ・悪質な訪問販売について(住宅のリフォーム・高齢者被害)
 ・複雑化する振り込め詐欺
 ・PL法、クーリングオフ制度について
Bまとめ
  企業・家計・政府という経済の三主体を学習し、この三主体の相互関係により経済が成り立っていることを学習した。また、近年インターネットの急速な普及により、経済環境の変化も激しくなっており、新しいビジネスが生まれてきていることや、東北大震災をきっかけにエネルギー問題も大きく取り上げられており、エコから新しいビジネスが次々に生まれていることを学習した。それらの課題や問題を通して、生徒一人ひとりが将来社会に出て、何をするのか、何ができるのかを考えさせ、キャリア形成を図った。また、悪質なセールスについては新聞やWEBなどの資料をもとに実例を学び、企業の社会的責任の観点から、ビジネスの意義を考えさせた。
 
● クレジットカードやローンの仕組みについて学習する
@取組の
  ねらい
 情報技術の発達などによって、代金の支払手段は現金に限定されなくなり、様々な代金の支払い方法がある。それらの支払い手段を知り、便利な反面、使い方によっては大きなリスクがあることを理解させる。
A取組の
  概 要
 ・代金の決済方法(通貨・小切手)
 ・代金の決済方法(約束手形)
 ・代金の決済方法(為替手形)
 ・代金の決済方法(クレジットカード・プリペイドカード・デビットカード)
 ・電子商取引と代金決済(電子商取引のしくみと分類)
 ・電子商取引と代金決済(口座振込・代金決済・電子マネー)
Bまとめ
  インターネットでの電子商取引が普及し、クレジットカードでの決済が身近になっている。便利な反面、トラブルも少なくないことを学習し、適切な使用方法を理解させることができた。
  
 来年度に向けて
 
  「徳島ヴォルティス公式戦プロデュース」と「はちはち狸祭り」については来年度も継続して実施していきたいと考えている。産官学の連携を通した徳島県の活性化をとおして、生徒に経済や金融のしくみやキャリア教育の育成を図っていきたい。また、徳島県の特産品を活用した商品開発を行い、イベントを開催したいと考えている。今年度については事前の損益計算や仕入計画がおろそかになっている部分があったので、来年度はしっかり行い、損益分岐点の計算なども取り入れていきたいと考えている。
  
                        
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