●平成21年度高志小学校活動内容(抜粋)
≪研究主題≫
 ものやお金の大切さを知り、豊かな消費生活をする子どもの育成
 
≪研究のねらい≫
 ・ものやお金を大切にする子どもを育てる
 ・よりよい消費生活ができる子どもを育てる
 ・労働とお金の関係を知り、家族への感謝の心を育てる
 
≪主な学習内容・活動について≫
 1 生活設計コース
ものを大切にすること。お金の使い方の実践(意思決定の仕方や計画を立てて消費すること)。貯蓄の意義と実践。
 2 経済・金融の仕組みコース
お金の機能や生産と消費活動(市場の機能)。
税金の仕組みの理解。
 3 キャリア教育コース
労働の価値の理解。勤労の尊さや生産の喜びの理解。
 4 金銭教育講座(保護者対象)
家庭生活での消費活動。金銭教育の大切さを理解し、実践。
≪スケジュール ≫
実績 実施教科 学年等
 1 生活設計コース 
@ 修学旅行買い物計画(4月〜5月)
  
A 中学生の準備 HOW MUCHI?(1月〜3月)
 
B リサイクルでエコノミィ生活(4月〜7月)
 
C おこづかいの使い方(5月・夏休み・冬休み)
   おこづかい帳の記入・振り返り
    
D お金の使い方講座(5月〜1月)
 
E 金銭・物を大切にする心(4月〜1月)
 
 2 経済・金融の仕組みコース 
@ ものの値段が決まるしくみを知ろう(9月〜12月)
 
A 消費税のヒミツ 税金の話・税の作文(1月)
 
B 野菜を育てよう(4月〜12月)
 
C 藍染め作品に挑戦(4月〜12月)
  藍づくり・藍染め作品
 
 3 キャリア教育コース 
@ お店と私(9月〜12月)
 
A 家の人と一緒に(お手伝い大作戦)(12月〜1月)
 
 4 金銭教育講座(保護者対象) 
6月〜12月
 
 5 指導者スキルアップ 
@ 金銭教育協議会参加(12月)
 
A 文献研究
   
学級活動
 
学級活動
 
社会
  
  
 
 
 
 
道徳
 
 
社会
  
社会
  
生活科
 
総合
 
 
  
社会
 
生活科
 
  
 
 
  
   
 
 
  
6年生
 
6年生
 
4年生
  
全学年  
 
 
全学年 
 
全学年
 
 
3年
  
5・6年
  
1・2年
 
4年
 
 
   
3年
 
1年
 
 
保護者
 
  
教師   
 
教師   
 
≪各学年の取り組み≫
 第1学年 
活動 親子でオリエンテーリング(お小遣いの使い方)
内容 ○親子ふれあい活動を行う。
○おやつの時間に、実際のお金を使って、保護者が用意したおやつを購入する。
成果と課題 ○「もっと買いたかったな」という声も聞かれ、与えられたお金の中で欲しくても我慢している
 児童もいた。
○お買い物体験をすることで、人と関わることの楽しさも味わうことができた。
○保護者からも、お金の使い方を学ばせるよい機会となったと好評であった。

 第2学年 
活動 さつまいもを育てよう
内容 ○6月植え付け。
○10月収穫
○11月バザーで販売するための用意。
○12月PTAバザーに出店し、販売体験をする。
○販売後、振り返り活動を行う。
成果と課題
自分たちで植えたさつまいもを、堀り上げ、収穫の喜びを体感した。

 
「袋に入れて、値段を決めるのが大変だった。」「お客さんが来て、買ってくれてうれし
かった。」

 
お店でいくらで売られているのか調べて、自分たちのいもの値段を決めたのがよい学習に
なった。

 
たくさんいもを収穫することができたのは、農家の人のお世話があったからだと気づくことが
できた。
お買い物体験をすることで、人と関わることの楽しさも味わうことができた。

 第3学年 
活動 スーパーマーケットの見学(お店とわたし)
内容
○スーパーマーケットを見学する計画を立てよう。
○スーパーマーケットを見学し、働いている人の様子を観察したり、
 質問したりする。
○見学後、家族と話し合って決めた物を購入する。
○見学後、振り返り活動を行う。
 ・レシートを見て考える。
 ・働く人の姿を見て気づいたことを話し合う。

成果と課題

 
家族の人と相談し、自分が必要な物、欲しい物を決めることを通して、お金の使い方について考え、お金は計画的に使わなければいけないことに気づいた。

 
見学前にスーパーマーケットに買い物に行ったり、チラシを見たりしてどれくらいの値段で、どんな物が買えるのかを考えることができた。

 
「エコバックを持って行くと2円引いてくれるから、エコバックを持って行こう。」「環境のためにもエコバックを持って行こう。」とレシートに書かれている情報を活用する児童も生まれてきた。

 
お金の有効な使い方について考える機会となったが、商品を比較検討して購入する姿はまだ見られなかったので、高学年で学習する機会を設定する必要性を感じた。

 第4学年 
活動 藍染めをしよう
内容 ○5月 藍の苗植え。
○7月 たたき染め
 白いハンカチに生葉を並べ、木槌でたたいて、染める。
○9月 生葉染め
 収穫した藍の生葉を使って、生葉染めに挑戦した。
○商品化について話し合う。
成果と課題

 

学級園で栽培している藍を使って、たたき染めや生葉染めに挑戦した。自分で作った染め物作品は満足して持ち帰った。
この活動を通して、仕事の喜びを感じていた。

 

 
PTAバザーで売ることについて話し合った結果、自分たちが作った作品では売れないのではないかという意見が多数出された。
 今後は、お客様に買ってもらえる商品作りについて調査をして自分たちが育てた藍の商品化をしてみたらよい経済的な学習ができるのではないかと思う。

 第5学年 
活動 ライスパーティーを開こう
内容 ○ 5月 田植え
○10月 稲刈り・脱穀
○収穫したお米を使った「ライスパーティー」の計画を立てる。
○各班で、メニューを決め、材料を準備する。
○調理実習を行い、会食する。
○活動の振り返りをする。
成果と課題


   
田植えから収穫まで、一連の作業を体験することを通して、農家の方の苦労や工夫を学ぶことができた。収穫の時には、働いたことの代価としておいしいお米を手にすることができたことを実感することができた。

 
 
調理の前にスーパーマーケットに行ったり、チラシを見たりしてどれくらいの値段で、どんな物が買えるのかを考え、材料の購入計画を班ごとに立てることができた。そのため、無駄な材料を買わなくてすんだ。

 第6学年 
活動 感謝の気持ちを伝えよう(お菓子のプレゼント)
内容 ○お世話になった人に感謝を表すプレゼント計画を立てよう。
○スーパーマーケットに行った時に値段を調べたり、チラシを見たりして買い物計画を立てる。
○材料のむだが出ないように、全体でいくら買えばよいか考え、一括購入する。
○各班で必要な材料をはかり取り、お菓子作りを行う。
○できたお菓子にメッセージを添えたり、ラッピングをしてお世話になった人に送る。
○活動を通して、学んだことや考えたことを話し合う。
成果と課題

 
家族の人に教えてもらいながら、お菓子作りに必要な材料と分量を考え、材料を無駄にしないように計画した。

 



自分の班が必要な材料をスーパーマーケットに行った時に調べたり、チラシを見たりして予算を立てたことはよい経験になった。
 さらに、集めてきた店の情報を班で比較し、購入する店と商品を決めた。このようなことは、消費者としてとても大切な資質であるので、今後も、体験を通して身につくようにスキルアップを図っていく。

 
 
「『うれしい。ありがとう』と読み聞かせの方から声をかけていただき、作ってよかったと思いました。」と振り返りの時間に発表する児童が多くいた。働くことの心地よさを学ぶことができてよかった


≪研究の成果と来年度の課題≫
 今年度は,体験的な学習を中心において「労働とお金の関係を知り,感謝の心を育てる」金銭教育に取り組んだ。子どもたちは,さつまいもやゴーヤ・米などの栽培に熱心に取り組み,働くことの心地よさや収穫の喜びから,働くことのすばらしさや苦労を体験することができた。
 来年度に向けては,本年度の学習を生かしながら,より「もの」や「お金」 の大切さを知り,豊かな消費生活をする子どもを育てる金銭教育へと発展させ ていきたい。
具体的には,
  ・金銭教育の年間計画を見直し,学年の発達段階に応じた目標を明確にする。
・体験的な活動を通して,お金や労働の価値を学ぶ活動をよりいっそう深める。
・お金の使い方を考えたり,家族への感謝を持つ学習を計画する。
・保護者が金銭教育について学ぶ機会を設け,より深い理解と協力が得られるようにする。 

などを研究の柱として取り組みたい。

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