●平成22年沖洲小学校活動内容(抜粋) |
主題・主題設定の理由・各学年の目標については平成21年度活動内容をご覧下さい。 | |
年間指導計画についてはこちらをご覧下さい。 | |
|
第2学年の取り組み「ねぎっこフェスティバルをせいこうさせよう」 |
<事例 大きな数を知ろう〜よごれたけしゴム> |
(1)活動のねらい ○お店たんけんを通して、お店の人たちの思いや工夫を学ぶ。 ○ねぎっこフェスティバルに向けて、協力して準備を行う。 ○一つ一つの品物には値段があることを知り、大切に使う。 (2)活動の概要 ○学年目標 ねぎっこフェスティバルを通して、地域の人や他学年の子どもとふれあい、協力してやりとげる苦労や喜びを味わうとともに、ものを大切に使おうとする態度を育てる。 ○2学年年間計画
今まで、自分でお金を使うことがほとんどできなかった子どもたちが、いろいろな経験をすることによって、少しずつではあるが、その価値や身近な物の値段について知ることができた。さらに、よく使っている文房具などもお金と同じぐらい大切であるということを実感することができ、きちんと名前を書いて最後まで使おうとするようになってきた。今後も、各教科や道徳の学習の中で金融教育に適した学習等で継続的に指導を続けていきたい。 |
第3学年の取り組み「大好き 沖洲の町」 |
<事例 見直そうわたしたちのくらし> |
(1)活動のねらい ○買い物調べを通して、自分たちの家庭での買い物の様子を知る。 ○地域の商店へ見学に行き、商店の工夫やお客さんの様子を知る。 ○上手な買い物をするために気をつけることを考える。 (2)活動の概要 |
![]() |
買い物調べ(9月) |
自分たちの家庭では、買い物をするときどんな店でどんな物を買っているか、どんなことに気をつけて買い物をしているかを調べた。 その結果、大型のスーパーマーケットや地域のスーパーマーケット、専門店、コンビニエンスストアなどで買い物をすることが多いと分かった。また、家庭で買い物をするときには、安くて良い品を選んだり、たくさんの商品がある店に行ったりすることも分かった。 |
キョーエイ末広店・フレッシュ大島安宅店・ローソンプラス徳島安宅三丁目店見学(9月) |
買い物調べをした子どもたちは、実際に店へ行って観察したり、働いている人にインタビューしてみたいと言い出した。そこで、地域にあるスーパーマーケットやコンビニエンスストアではお客さんを多く集めるためにどのような工夫をしているか、また、買い物をしているお客さんがどんなことに気をつけているかを調べるために見学に行った。 スーパーマーケットやコンビニエンスストアでは、価格の表示の仕方や商品の陳列の仕方、仕事をしている人がいる場所や仕事の内容を観察したり、インタビューしたりすることによって、お客さんの様々な願いに応えるために工夫していることが分かった。また、スーパーマーケットではちらしを効果的に使い、安くて新鮮な物を売るように工夫や努力をしていることが分かった。 |
上手な買い物をするために(9月) |
見学を通して、子どもたちは様々な販売の工夫について調べてきた。その中には、食品の新鮮さや安全性についての配慮があった。そこで、販売者から消費者に立場を移し、子どもたちが自分自身の判断によって商品を選ぶことができるように学習した。 |
(3)成 果 |
買い物について学習することによって、「どんな店でどんな物を買っているかよく分かった。」「店の人はたくさんのお客さんに来てもらうために、毎日、工夫や努力をしていることが分かった。」「買い物をするときには、よく考えて安全でよいものを選びたい。」といった声が聞かれた。 |
特別支援学級(たんぽぽ学級)の取り組み |
<事例 「たんぽぽショップを開こう」> (1)活動のねらい ○ 自分たちで作った製品を販売することによって、働くことの喜びや利益を得ることの大変さを知る。 ○ 保護者や地域の人に、本学級の学習活動について広く知らせる。 (2)活動の概要 毎年1月末の参観日に開催されるPTAのバザーに合わせて、本学級も「たんぽぽショップ」を開店している。6月から作りためた、シューズ入れ、給食用ナプキン、ナプキン袋、バッグ、ティッシュケース、台布巾などの布製品約200点と、クッキーとチョコケーキ約600袋を販売する。事前に、ちらしやポスターを作成し、校内放送や朝会でも宣伝活動を行う。 また、2月上旬に行われる入学説明会でも、新1年生の保護者を対象に、「たんぽぽショップ」を開いている。新1年生のサイズに合わせたシューズ入れや、給食用ナプキン、ナプキン袋、ティッシュケース約100点を販売する。事前に1,2年生児童が、ちらしを持って、幼稚園や保育所に出向き宣伝をする。出身園の元担任に会うことができ、子どもたちにとってはうれしい訪問となっている。 いずれの「たんぽぽショップ」も、高学年児童は、電卓を使って、合計金額やおつりの計算の練習を繰り返しておき、当日の販売時に、レジを担当する。低学年児童は、シールに値段を書いて商品に貼る作業を分担して、当日は売り場を担当する。バザー終了後には、売り上げ金を金種別にし、全員で数える。 後日、バザー打ち上げの学級遠足に出かける。売り上げ金から、一人500円ずつ報酬を受け取り、帰りに喫茶店に立ち寄って好きな物を注文するのが恒例となっている。 (3)成 果 毎年、たんぽぽショップがオープンする30分前には、100人近くの方々が並んで待って下さる。たくさんの方が次々と商品を買って下さり、長期間かけて製品を作ってきた子どもたちの努力が報われる。 「材料を仕入れ、製作し、製品を販売し、利益を得て、報酬を受け取り、さらに設備投資をする」という流れを、それぞれの発達段階に応じて理解させることも、バザーの単元学習を重ねるうちに可能になってきている。また、働いて得たお金を使う喜びを感じることは、将来の就労への意識付けになっている。 |
学校全体の取り組み | ||||
<事例 沖小エコ通信> (1)活動のねらい ○ 月1回「沖小エコ通信」を発行することにより、消費者・金融教育についての保護者の理解を深める。 ○ 毎月、各学年の取り組みを保護者に知らせることにより、子どもたちの意識の変容や成長の様子を伝 える。 (2)活動の概要 ○ 月1回「沖小エコ通信」を全家庭に配布する。また、裏面には毎月各学年の取り組みを紹介していく。 (3)成 果
|
≪U. 研究の成果と今後の課題 ≫ |
1.「大好き!ふるさと沖洲学習」を通して学んだこと | ||||
地域に根差す産業や伝統文化、人々の暮らしを学ぶことで、子どもたちは変わってきた。いつもは見慣れたねぎ畑が広がる光景も、農家の人が収入を得るまでの日々の苦労を学んだ後では、違う目で見ることができるようになってきた。また、銀行やスーパーマーケットなどの店舗を見学することで親しみを持ち、そこで働く人の努力も学ぶことができた。 参加日のバザーでねぎとねぎ入りセサミクッキーを販売した5年生は、広告や店舗、呼びかけの工夫をしても売れ残りそうになったり、材料費を差し引くとほとんど利益が上がらなかったりしたことに驚き、様々なことを身をもって体験した。「大人って、大変なことをしているんだな。」「3カ月もかけて育てても、ひと束50円でしか売れないのがショックでした。」など、体験後の感想には多くの本音が聞かれた。 「働く」ことの大変さとともに労働の尊さにも気づき、地域社会の人びとへの尊敬の念やお金や物を大切にする気持ちを育てることができたと思う。 |
||||
2.常時指導「くらしを見つめる学習」での児童の意識の変化 | ||||
各学年で発達段階に応じて、自分のお小遣いの使い方について考える時間をとることにより、無駄遣いに気付くよい機会となった。また、お手伝いをする、持ち物の整理をして物を大切に最後まで使うといった意識も高まってきた。特に、6年生の調理実習の材料を自分で買う体験では、今まで家族にまかせきりで、全く意識していなかった食材の値段を知り、安いもの、体によいもの、環境の負荷が少ないもの(フードマイレージ)、地産地消など、様々な視点から買い物を考えることができるようになった。 | ||||
3.成果と今後の課題 | ||||
平成22年度は、各学年の実践だけでなく、委員会活動からの全校への働きかけをする「もったいない委員会」、保護者への啓発をめざした「沖小エコ通信」などにも取り組んだ。その結果、
このように、子どもたちのみならず、保護者、教職員のお金への意識はこの2年間でずいぶん変化してきている。今後はこの2年間で行ってきた実践を継続するととともに、「生きる力」を育む金融教育をさらに深めていきたいと考える。 |
過去の一覧へ |